イオン女子がやって来た 大学生、モールで満足

アパレル、化粧品各社 「響く販促」に知恵

昨年春「With」や「steady」といった女性誌上に「イオンモールで見つける ときめきワンピコーデ!」などと題した企画が載った。

人気モデルがイオンモールで販売されている洋服で全身をコーディネート。読者はネットでお気に入りのワンピースに投票し、欲しい賞品を選んで応募する。

この“総選挙”ではポイントの「ローリーズファーム」などの人気ブランドから、イオンモール限定品が登場した。イオンモールでは、年1~2回ほど限定モデルを販売しており、2013年の冬にはオンワード樫山などから限定デザインのコートも登場した。クロスカンパニー(岡山市)の「アースミュージック&エコロジー」によれば、イオン女子には「トレンド感の強いものより、ナチュラルでベーシックなデザインが人気」だという。

国内で出店攻勢をかけるイオンモール。6月下旬には名古屋茶屋(名古屋市)を、今秋には岡山駅前など年内にあと4件を出店する予定。名古屋茶屋は流通激戦区の市内にあり、県内初となる外資系ファストファッション「フォーエバー21」が入る。イオンモールを意識し、アパレル側もSC向けの業態開発を進める。「購買力を考えると、数あるSCの中でもイオンモールは無視できない存在。モールごとの客層や地域性に合わせた商品開発などもしていく」(ある大手アパレルメーカー)と関係強化を狙う。

アパレル以上に差別化が難しい化粧品で、口コミ活用の巧みさで、女子大生に大ヒットした商品がある。「天マス」(天まで届け!マスカラ)との流行語まで生んだ、中堅メーカー伊勢半(東京・千代田)の「ヒロインメイク」(税別、1000円)だ。同商品はイオンモール内のドラッグストアでも「よく売れる商品」(同社)。

発売して9年。口コミサイト「アットコスメ」のマスカラ部門では常に上位を占める。ヒットの理由は「プチプラ(安い)」だけではない。

「天マス」はお姫様のキャラクターをあしらった派手な外箱入りだ。「『きわもの』と思ったけど、使ってみたら1日中落ちなかった」とネット上で瞬く間に広がった。その口コミを拡散させるために、伊勢半も製品についてのツイッターを日々検索してはサイトでこまめに紹介した。

サイトへ誘導するために、電車内に貼られたステッカーに注目。2~3月にかけて「天マス」のステッカー広告を実施したところ、ネットで「天マス」サイトを検索した人が1290件とそれまでの16倍になった。「スマホ世代の女子大生が、移動中に目を留めて検索してくれるので、効果絶大」(デジタルマーケティング・PR部の大町龍部長)

有名女優を使ったCMで話題作りをしてきた大手は、女子大生の新たな価値観を前に、作戦の練り直しを迫られている。(大岩佐和子、井土聡子、野場華世)

[日経MJ2014年6月2日掲載]

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