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ガンダム35周年 巨大ロボットの枷があればこそ 「生みの親」富野由悠季氏語る

2014/3/19

 ロボットアニメという器に生々しい人間ドラマと哲学的な主題を盛り込み、テレビアニメを革新した「機動戦士ガンダム」の1作目が、1979年4月7日の放送開始から、今年で35周年を迎える。今も国内外で様々なカルチャーに影響を与え続けるガンダムとロボットアニメの過去・未来について、生みの親である富野由悠季監督に聞いた。
放送開始35周年を迎えた「機動戦士ガンダム」(C)創通・サンライズ

 ガンダムの人気が続いている理由は、創作した当事者には正直、よく分からない。時代や環境などに感謝するしかない。

とみの・よしゆき 1941年生まれ。アニメーション監督、演出家、作詞家、小説家。日大芸術学部卒。虫プロで「鉄腕アトム」の演出などを手掛けた後、フリーに。ガンダムシリーズ以外にも「伝説巨神イデオン」「戦闘メカ ザブングル」「聖戦士ダンバイン」「重戦機エルガイム」などを手掛けている。

 ガンダムを作り始めたころは、フリーでテレビ漫画映画(アニメ)の仕事をしていた。本当は(大人向けの実写)映画を作りたくて、どうやって生きていけばいいのか思い悩んでいた。テレビ漫画の世界で自分の作家性を生かすことは難しく、著作権も自分では持てないので収入の面でも楽ではなかった。

 しかもガンダムでは「巨大ロボットもの」という設定がはじめから決まっていた。実は私は「ロボットもの」が嫌いだった。スポンサーである玩具メーカーや広告代理店などから注文がつき、なかなか自由がきかない。ロボットという枷(かせ)の中で、映画が作れるのか。自分にとって映画とは物語なのだが、ロボットでそうしたものを作る能力が自分に果たしてあるのか、疑問だった。

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