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ブームの予感(日経MJ)

2014/2/16

ブームの予感(日経MJ)

両親らへのお土産に人気のルーペ付き爪切り(東京都千代田区のラオックス秋葉原本店)

3位は包丁や爪切りなどの「刃物類」。ラオックス秋葉原本店では、手元がよく見えるようルーペが付いた爪切りが人気だ。値段も1000円程度と手ごろなため、「両親への土産に」(30代中国人男性)とまとめ買いする人が目立つ。

金属類ではほかにも、象印マホービンやタイガー魔法瓶のステンレス製水筒の売れ行きが昨年秋頃から伸びている。今月は中国人観光客が増える春節(旧正月)の休暇に合わせ、昨年同月の7倍以上の在庫を用意したが「完売する勢い」(同社)だ。中国では外出時にマイボトルを持参する習慣があるため、家族用に色やサイズ違いで複数購入する人も多い。

海外では見つけにくいカラーがそろう「フリクション」(東京都豊島区の東急ハンズ池袋店)

日本メーカーの文房具も支持を集めている。東急ハンズ池袋店ではノートなど小物を装飾できるマスキングテープが女性に人気。チェック柄など様々な模様を用意しており、専用コーナーでは「アジア系の女性客が選んでいる姿をよく見る」(売り場担当者)。

パイロットコーポレーションの書いた文字を消せるペン「フリクション」シリーズは、幅広い世代に人気だ。国外でも販売しているが、海外で見つけにくい色など「10本以上まとめて束でかごに入れている人も多い」(売り場担当者)。

JTB総合研究所の波潟郁代企画調査部長は、「機能性や品質に対する要求が細かい日本人向けの商品が、生活水準が上がりつつあるアジアのニーズにマッチしてきた」と分析。百貨店やドラッグストア、コンビニなど「日本の消費者が普段、買い物に出かける場所が土産物の購入にもよく使われている」という。

観光客の土産物の選び方にも変化がみられる。ジャパンインバウンドソリューションズ(東京・江東)の中村好明社長は「アジアからの観光客は、ブログや交流サイト(SNS)の普及で、友人や芸能人が勧める商品を事前に調べてから来日する人が目立つ」と話す。

こうしたネット上の情報が、ヒット商品を生むこともある。例えば豆腐の盛田屋(福岡県那珂川町)の「豆乳よーぐるとぱっく 玉の輿」は、タイの人気女性ブロガーが紹介したことがきっかけで、タイ人観光客に人気の土産に成長した。

10月には外国人旅行者の消費税の免税措置の対象が、食料品や薬品、化粧品などすべての品目に拡大される。思わぬ商品がSNSなどで広まり、人気の土産物に成長する可能性もある。

ただ、ネット上の口コミなど情報源が多様化したことで「品質やデザイン、ストーリー性に対して目利きが厳しくなっている」(波潟氏)。土産物のヒット創出には、商品の特徴を海外にうまく伝える情報発信力がより重要になりそうだ。

(菊池友美)

[日経MJ2014年2月10日掲載]

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