第56回グラミー賞の授賞式が26日(日本時間27日午前)、米ロサンゼルスで開かれる。世界最高峰の音楽賞といわれるグラミー賞。いったいどうやって選ばれるのか。日本人もノミネートされている今年、賞の裏側を知ると授賞式がより一層楽しめる。
1万5000人が投票、日本人の会員も
グラミー賞は、映画のアカデミー賞、舞台のトニー賞、テレビ番組のエミー賞と並び称される米エンターテインメント界を代表する賞だ。
主催は「全米レコード芸術科学アカデミー(NARAS)」。ミュージシャンやプロデューサー、レコーディングエンジニアなどで構成されている。このNARASの会員たちが審査員として、投票で各賞を選んでいる。投票権を持つ会員自身がノミネートされるケースもある。
会員には日本人もいる。元外交官でジャマイカ在住の音楽プロデューサー、阿曽沼和彦さんもその一人。レゲエ界のスター、スライ&ロビーと共同プロデュースした「レゲエ・コネクション」が今回の最優秀レゲエアルバム賞にノミネートされている。
「投票する会員は1万5000人ほどいます」と阿曽沼さんが教えてくれた。
まず予備的な投票で部門ごとに数組をノミネートする。「事前に会員専用のSNS(交流サイト)で情報交換ができるのです。僕の知り合いは4000人はいますよ。推薦したいミュージシャンの映像を見てもらったりもします。このロビー活動がうまくいけば、ノミネートされやすくなる。僕のところにもカントリーやクラシックなど、いろんなジャンルの人たちからお願いが来ます。最終的には皆さん、音楽性で選んでいるようですけどね」と阿曽沼さんは言う。
日本レコード大賞は23人の合議制
ちなみに「日本にもグラミー賞を」とのアイデアで生まれた日本レコード大賞は、日本作曲家協会の主催だ。昨年末で第55回を迎えた。日本レコード大賞、優秀作品賞、最優秀新人賞、新人賞、最優秀歌唱賞に関しては、新聞や通信社の音楽記者に音楽評論家などを交えた23人(2013年)の審査委員による合議で決めている。