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スチームパンク ラピュタの世界、身にまとう

「産業革命×SF」でタイムトリップ

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NIKKEI STYLE

19世紀を思わせる衣服に革や歯車のアクセサリー。精巧でアンティークな機械仕掛け。産業革命の時代にSFを融合させた「スチームパンク」の世界を愛好する人たちが増えている。ファストファッションが流行し、機械の外観はシンプルになっていく当節の風潮はなんとなく物足りない。ちょっとした不便さを感じる「時間旅行」をあえて楽しんでいるようだ。

「レトロでいいね」「かわいい! どうやって作っているんですか?」。10月下旬の日曜日、東京・水道橋の「ギークカフェ」で開催されたスチームパンク雑貨のフリーマーケット「蒸氣蚤ノ市(じょうきのみのいち)」には、50人以上が集まった。

商品として並ぶのは革と古い時計の盤面を素材に用いたiPhone(アイフォーン)ケースなど、古色の中にどこか機械的な印象を受ける雑貨たち。手に取ると、架空の時代にタイムスリップしたような気分になる。カップルで参加した演奏家の男性(37)は「アナログな雰囲気のアイテムにひかれる」と丁寧に商品を見て回っていた。

今回、フリマを主催したウェブデザイナーの福田智子さん(30)は、日本におけるスチームパンクファッションの先駆者の一人だ。3年ほど前から本格的に始め、1年を通して身にまとう。「既製服をコーディネートしたり、アレンジを施したりして自分だけのスチームパンクを形作るのが楽しい」と笑顔を見せる。

「スチームパンク」という言葉自体は「サイバーパンク」から派生した文学のサブジャンルとして1980年代の米国で生まれた。蒸気機関が動力だった19世紀ごろの英国を背景としたSFやファンタジー。スタジオジブリの「天空の城ラピュタ」の世界などと表現する人が多い。

解釈の幅は広く、日本では明治から大正にかけての文明の変革期を背景とすることもある。米国や英国が本場とされるが、国内でもクリエーターらが作品に取り入れ独自の発展を遂げている。

愛好者はファッションやライフスタイルに自身の想像を加えた世界観を取り込む。1年ほど前からスチームパンクのものづくりを始めたのは会社員の松島敏弥さん(51)。古いタイプライターを模したパソコンのキーボードなどを製作している。同じくものづくりをしている会社員男性(43)は「今の製品はスマートすぎて個性がない。ちょっとした不便さやクセのある昔の物を、この時代に使うことに魅力を感じる」と語る。

 11月2日に東京ビッグサイト(東京・江東)で開催されたアートイベント「デザインフェスタ vol.38」では、スチームパンクのファッションショーが開かれた。仕掛けたのは東京発明者協会という都内で活動するクリエーターのグループだ。開始時刻にはステージ周辺に300人超が集まり、中にはスチームパンクファッションの男女も散見された。

ショーの後半のテーマは「日常に溶け込むスチームパンク」。現代風のファッションにゴーグル付きの帽子やコルセット、革のトランクなどを組み合わせたモデルに観客らは熱心に見入っていた。終了後には「個性的でかっこよかった。部分的に取り入れるのはいいかも」(24歳女性)といった声も聞かれた。

企業もこうした動きに注目しつつある。システム構築のアイディーエス(東京・港)は8月末、同社初のEC(電子商取引)サイト「歯車亭」を開設した。時計の機構を使ったペンダント(5980円)や真ちゅうと銅のUSBメモリー(1万5130円)など、生活に取り入れやすいスチームパンクの雑貨を取り扱う。サイトの2カ月間の累計ページビューは15万と関心を集める。

2011年から関連書籍を手掛けているグラフィック社(東京・千代田)編集部によると「好きだった映像作品や服装が実はスチームパンクだったと知る人が多い」。

同社は昨年、クリエーターたちによる衣装、時計、オブジェなどの作品、制作工程なども紹介した「スチームパンク東方研究所」を刊行。第1弾は2カ月で完売し、増刷を決めた。来夏には第4弾を発売する予定だ。

スチームパンクの定義も、取り入れ方も人によって違う。だが、魅力の1つとして「共通した雰囲気はあるけれど、解釈は人それぞれ。その多様性を認め合える懐の深さ」(松島さん)があると言えそうだ。ファッションや日常使う道具から物語が生まれる。奥深いスチームパンクの森に、一歩踏み出してみるのも面白いかもしれない。

(正田素子)

[日経MJ2013年11月10日付]

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