宮崎駿監督「この世は生きるに値する」 引退会見の全文

2013/9/7

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「僕の長編アニメーションの時代は終わった」。引退を表明していた宮崎駿監督が6日、東京都内のホテルで記者会見し、決断に至った胸中、作品づくりにかけてきたこれまでの思いを語った。困難な時代を生きる子どもたち、若者に向けて「この世は生きるに値する」というメッセージを放ち、世界中のファン、アニメーション作家から敬愛された監督が、自らの筆で創作活動にエンドマークを記した。会見の詳細は以下の通り。

引退の記者会見を行い「今回は本気」「僕の長編アニメの時代終わった」と語る宮崎駿監督(6日)

引退の記者会見を行い「今回は本気」「僕の長編アニメの時代終わった」と語る宮崎駿監督(6日)

【宮崎駿監督・挨拶】

僕は何度も辞めるとこれまで言って騒ぎをおこしてきた人間なので、どうせまただろうと思われているんですが、今回は本気です。

【鈴木敏夫プロデューサー・挨拶】

始まったものは必ず終わりがくるものだと思う。僕の立場で言うと、落ちぶれて引退するというのは格好悪いと思っていた。ちょうど映画「風立ちぬ」が公開されていて、いろいろな方に支持されている時に(引退を)決めたのはよかったのではないかと思っている。皆さん、今後ジブリはどうなっていくのだろうと疑問を持っていると思うが、高畑勲監督の「かぐや姫の物語」は鋭意制作中でメドも見えてきた。11月23日には必ず公開することをお伝えしたい。また、企画はまだ発表できないが、来年夏を目指してもう1本映画を制作中だ。

【質疑応答】

Q 公式引退の辞を読んだが、長編の監督は辞めるという理解でよいのか。

宮崎 (公式引退の辞に)僕は自由ですと書いた。やらない自由もある。ただ、車が運転できる限りは毎日アトリエに行こうと思っている。それでやりたくなったもの、やれるものはやろうと思っている。

Q (韓国の記者)韓国のファンへ一言。いま韓国で話題になっている零戦についての考えは?

宮崎 いろいろな言葉に邪魔されないで今度の映画も見ていただければいいなと思う。いろいろな国の方が私たちの作品を見て下さっていることは非常にうれしいと思っている。映画「風立ちぬ」のモチーフそのものが日本の軍国主義が破滅に向かっていく時代を舞台にしているので、私の家族からも自分自身からも、スタッフからもいろいろな疑問が出た。それにどういうふうに答えるのかということで、この映画を作った。だから映画を見てもらえれば分かると思う。

Q 今後、ジブリの若手監督の作品に監修やアドバイザー、アイデア提供、脚本を書くなどして関与していく考えはあるか。

宮崎 ありません。

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