ランニングを長続きさせる方法は…
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体も気分もランランと
運動の秋、ランニングを始めようという人もいるのではないだろうか。しかし、やり方を間違えれば、苦行のように感じてやめてしまったり、足腰を痛めたりしかねない。どんな工夫をすればランニングを長く続けることができるのか、専門家におすすめの方法を選んでもらった。
1位は「シューズ・ウエアをそろえる」。特にシューズは「足を守るのも走りを向上させるのもシューズ次第」(安喰太郎さん)など、重視する声が多かった。ウエアは機能性に加えて「コーディネートを考えるのが楽しい。普段の洋服では着られないようなスタイル、カラーに挑戦できる」(池田美穂さん)という声もあった。
ほかに、やる気を向上させるのは2位の「日記」。「頑張った自分をかみしめられる」(増田明美さん)ため、成長の過程を実感できる。9位の「自分へのご褒美」は「汗をかいた後のビールを目的に走り始める人は少なくない。走った後に女子会をするグループも」(樋口幸也さん)。
4位の大会エントリーを含め、目標設定を重視する人も多かった。「70歳以上で日本のベスト100を狙う、なんて夢があっていい」(増田さん)。2位の仲間作りは「一緒に走る人がいればサボることが少ないし、会話しながら走るのは楽しい」(矢野由美子さん)、5位のコース探しは「気持ち良く走れるというのがポイント。景色の良い場所ならば長続きしやすい」(高瀬晋治さん)という指摘があった。
8位の「疲れたらウオーキング」、10位の「他人と比べずマイペース」と無理をしないことの大切さもランクインした。「始めの一歩は『大きな動作で歩く』。次の一歩は『走るスピードで歩く』『歩くスピードで走る』」は内山雅博さんのアドバイス。走っている時、心身の解放感を楽しめるようになれば、長続きする可能性が高い。
調査の方法 ランニングに詳しい専門家11人に、ランニングを長続きさせる方法を順位付けしてもらった。選者は次のとおり(敬称略、五十音順)
安喰太郎(ランニングチーム「ハリアーズ」代表)▽池田美穂(アシックスランニングクラブコーチ、「RUN女子入門」著者)▽内山雅博(国立競技場トレーニングセンター「ゆっくりジョギング」インストラクター)▽斉藤太郎(NPO法人ニッポンランナーズヘッドコーチ)▽高瀬晋治(月刊「ランナーズ」副編集長)▽鍋倉賢治(筑波大大学院准教授)▽樋口幸也(「ランニングマガジン・クリール」編集長)▽前河洋一(国際武道大教授)▽牧野仁(Japanマラソンクラブ代表)▽増田明美(スポーツジャーナリスト)▽矢野由美子(アートスポーツ日比谷店店長)
「音楽聴きながら」賛否分かれる
ランキングされた以外にもランニングを続ける知恵は数多くある。12位は「走った後はストレッチや栄養補給など回復に努める」。運動後30分以内が栄養補給に重要な時間帯とされ、その間にたんぱく質と糖質をとると疲労回復と体作りに役立つ。15位は「楽に走り出せるように準備体操をしっかりやる」。通常のストレッチに加え、上半身と下半身をねじるようにジャンプする「ツイスト」などの補強運動をやっておけば、走り始めがスムーズだ。
17位の「音楽やラジオ、英会話などを聴きながら走る」では専門家の意見が分かれた。「音と自分のリズム、景色の融合で普段は感じない解放感を味わえる」(池田さん)、「大反対。感性を研ぎ澄ましレベルアップするためにもっと自らの身体を感じてほしい」(前河洋一さん)とどちらも一理ある。自分に合ったスタイルを見つけたい。
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