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きょう開幕 欧米の俊英に挑む日本勢

カンヌ映画祭リポート2011(2)

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NIKKEI STYLE

 世界最大の文化イベント、カンヌ国際映画祭がきょういよいよ開幕する(22日まで)。多数出品される日本関連作品の反響や世界の俊英の新作、マーケットや製作発表の話題などを通して、映画祭に反映された2011年の世界の現実をカンヌからリポートする。

最高賞「パルムドール」を競うコンペティション部門に、今年は日本作品が2本も選ばれた。河瀬直美監督「朱花(はねづ)の月」と三池崇史監督「一命」である。世界の頂点に立つ映画祭が厳選した20本に入ったのだから、これだけで十分に慶事なのである。

ちなみに日本人監督の作品が2本選ばれたのは、押井守監督「イノセント」と是枝裕和監督「誰も知らない」が入った2004年以来7年ぶり。この年は「誰も知らない」の柳楽優弥が男優賞を獲得した。今村昌平監督「楢山節考」がパルムドールに輝いた1983年も、大島渚監督「戦場のメリークリスマス」とのダブル出品だった。

他のコンペ作品の監督はそうそうたる顔ぶれだ。ダルデンヌ兄弟(ベルギー)、ラース・フォン・トリアー(デンマーク)、ナンニ・モレッティ(イタリア)はすでにパルムドールを手にしている。ペドロ・アルモドバル(スペイン)、アキ・カウリスマキ(フィンランド)もカンヌの常連で大きな賞を取っている。

さらに寡作で知られるテレンス・マリック(米)の参加も見逃せない。上映される「ツリー・オブ・ライフ」は「ニュー・ワールド」以来6年ぶりの新作。カンヌへの出品は監督賞を獲得した78年の「天国の日々」以来32年ぶり。38年間でわずか4作品しか発表していないが、そのたびに独自の世界観を示し、見る者を驚かせてきた。

監督の出身国で見れば欧州勢が14本で他を圧倒している。「テレーズ」のアラン・カヴァリエ、「約束の旅路」のラデュ・ミヘイレアニュの新作など、地元フランス勢は5本入った。一方、アジアは日本の2本とトルコ、イスラエルの計4本のみ。昨年はタイのアピチャッポン・ウィーラセタクンがパルムドールに輝き、アジアの時代を印象づけたが、東南アジアや南アジア、さらに中国、韓国、香港、台湾、イランの姿がないのは寂しい。

競争の激しさを物語ってか、コンペとともに公式上映の核となる「ある視点」部門に、コンペで実績のある監督の作品がずらりと並んだ。ガス・ヴァン・サント(米)、ブルーノ・デュモン(仏)、ホン・サンス(韓)、キム・ギドク(韓)らだ。ガス・ヴァン・サントの米国映画「永遠の僕たち」には「アンテナ」「それでもボクはやってない」の加瀬亮が出演している。またシンガポールのエリック・クー監督「TATSUMI」は劇画家、辰巳ヨシヒロの自伝的作品「劇画漂流」の映画化だ。

賞の行方を左右するのは審査員である。過去1年間の公開作を対象に、数千人の会員が投票して決める米アカデミー賞とは根本的に違う。カンヌを筆頭とする国際映画祭は、映画祭ディレクターによって選ばれた未公開の新作を対象とし、やはり映画祭ディレクターに選ばれた数人の審査員が合議して受賞者を決定するからだ。

今年のコンペ部門の審査員長は米国のロバート・デ・ニーロ。言うまでもなく「タクシードライバー」「ディア・ハンター」などの名優だ。同時にニューヨークのトライベッカ映画祭の創設者の1人であることをカンヌは評価している。同映画祭のプログラムの質が高く、米国にあって映画の多様性を見せる一流の国際映画祭であることを認めているからだ。

コンペ部門の9人の審査員には英国のジュード・ロウ、米国のユマ・サーマンといった個性派俳優のほか、監督のジョニー・トー(「エレクション」)、プロデューサーのナンサン・シー(「インファナル・アフェア」)と香港の映画人が2人入った。彼らが何を推すか興味深いところだ。さらに公式上映作品で最も優れた新人監督に与えられる「カメラドール」の審査員長は「母なる証明」の監督ポン・ジュノ(韓国)が務める。

残念ながら各部門の審査員に日本人の名前はない。コンペ作品に選ばれなかった韓国、香港勢だが、審査員では逆転した格好だ。この領域で日本人より韓国人や香港人の方が活躍しているのは、他の国際映画祭でもいえること。語学の問題なのだろうか、人材の問題なのだろうか。

プレス登録を済ませた10日の午後、カンヌのコンペで審査員を務めた数少ない日本人の1人であるフランス映画社社長の柴田駿さんと、ルイ・ブラン通りの海辺のレストランでカキを食べた。「審査員長というのはサッカーのゴールキーパーみたいなものですかね」と柴田さんは言う。メンバーに意思を伝えるコミュニケーション能力が必要だ。ただその能力は語学に限らない。

世界に認められる才能ある作り手は多いが、国際的な流れを作り出すオーガナイザーが少ない。それはどうも日本の経済や政治の世界にも通じているような気がする。(編集委員 古賀重樹)

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