頭を鍛えるボードゲーム
何でもランキング
弾む会話、節電生活でも
東日本大震災が発生しておよそ1カ月。被災地はもとより、原発事故の余波もあって、屋内で過ごす時間が増えている家庭も多いのではないだろうか。専門家に家族向けにおすすめのボードゲームを聞いてみた。
1位は日本生まれのカードゲーム「ワードバスケット」。しりとりが基本となっているので、初めての人もすぐにできる。最初の言葉と最後の言葉が決まっているために普通のしりとりより難しい。もっとも、3文字以上の言葉という原則を2文字も可とすれば、小さい子どもも加われる。
複数でプレーするボードゲームは自分だけでなく相手の出方を探りつつ駆け引きするものも多い。「面白い上に自然と考える力が身につく。幅広い年齢層が楽しめるものが多い」(NPO法人「ゆうもあ」の一階良知理事長)という。
計算や推理力など算数の要素が盛り込まれているのが、足し算を基本とする「ぴっぐテン」(5位)や自分の手札を推測する「ドメモ」(3位)、手札をどう切っていくかを幾通りも想像する「ニムト」(6位)など。2位の「ブロックス」はジグソーパズルが得意な人ほど有利だ。
4位の「カタンの開拓者たち」は世界的な大ヒットゲーム。「ねことねずみの大レース」(7位)や「どうぶつしょうぎ」(9位)は見た目はかわいいが、いずれもリスク管理や数手先を読むことが必要で頭を使う。8位の「ディクシット」は解答がなく、自分の表現力とそれを踏まえて相手がどう考えるかを推理する心理戦が面白い。
ランキングには「人生ゲーム」など古くからある商品が入らなかった一方、ボードゲームがさかんなドイツ発の商品が4つ入った。日本では電子ゲームが人気だが、空間を共有するボードゲームだからこそ、会話も弾む。節電生活が続く中、久方ぶりにゲームを囲んで会話を楽しんでみてはいかがだろうか。
「じゃんけん」工夫、屋内で楽しく
ボードゲームがなくても屋内での遊び方は多い。日本レクリエーション協会(東京都千代田区)に聞いた。
「じゃんけんお開き」は足を閉じ、向かい合ってじゃんけんし、負けたらつま先を90度に開く。次も負けたら今度はかかとを90度開く。これを繰り返し、両手をついたりギブアップしたりした人が負け。「だるまさんの一日」は「だるまさんが転んだ」の変化形。「だるまさんが笑った」「踊った」など鬼は様々な命令ができる。
「バランス崩し」は運動不足の解消に。向かい合って立ち、お互いに右手で握手し、そのまま互いの右足のつま先をくっつけ、右手で相手を倒す。「遊びに没頭する時間はストレスを軽減し、心の安定をもたらす」という。
調査の方法 ゲームに詳しい専門家19人に廃盤でなく家族で楽しめるボードゲームを順位をつけて10挙げてもらい、編集部で集計。(敬称略、五十音順)
暁生(ボードゲーム評論家)▽飯田哲也(アマゾンおもちゃ&ホビーストアマネジャー)▽一階良知(NPO法人世界のボードゲームを広める会ゆうもあ理事長)▽小野卓也(ボードゲームジャーナリスト)▽川上亮(作家)▽草場純(ゲーム研究家)▽小堀結可(博品館)▽杉村啓(ライター)▽田中誠(テンデイズゲームズ店長)▽teine(ボードゲームブログ管理人)▽寺島由人(ゲームデザイナー)▽能勢良太(メビウスゲームズ店主)▽浜谷芳孝(アナログゲーム製作チーム賽苑代表)▽feinyao(ボードゲーマー)▽ぺらねこ(E5Gamers店長)▽星野孝博(クロノス社長)▽前野茂雄(日本頭脳スポーツ協会理事長)▽丸田康司(すごろくや店主)▽渡辺範明(ドロッセルマイヤーズボードゲームマート店長)
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