マネー研究所

カリスマの直言

日本大復活へ、大幅円安の覚悟はあるか  フジマキ・ジャパン社長 藤巻健史氏

2013/1/31

「韓国がウォンの大幅安から大復活したように、日本も大幅円安になれば国際競争力を取り戻せる」

 安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」への期待感を背景に、円の対ドル相場は15円以上安くなった。このあたりで円安・ドル高は落ち着くのか、それともさらに円がドルに対して大幅に安くなっていくのか――。私はすでに円高局面は終わっており、中長期トレンドとして大幅円安の時代に入ったと思っている。

 第1の理由は、実体経済に比べ円はなお強すぎ、さらなるレベル修正が続くと思うからだ。20年間にわたり国内総生産(GDP)が全く伸びなかった国なのに、国力の通信簿であるはずの通貨が強いままであり続けるとは考えにくい。

 「実質為替レートで言えば、もはやそれほどの円高ではない」という意見も聞くが、それは机上の学問による考え方でしかない。「まだまだ円高だ」と主張している日産自動車のカルロス・ゴーン社長がなぜそう感じるのかを分析すれば分かるはずだ。

■日本の株高なんて、たかが知れている

 第2の理由は、日米経済格差の存在だ。

 まず株価を見てみよう。株は「6カ月先、1年先の経済を予想する」と言われる。その観点で米国株の動きを見ていただきたい。

 米ダウ工業株30種平均は1月29日終値で1万3954ドルと、リーマン・ショック前年の2007年10月9日につけた史上最高値(1万4164ドル)に迫る勢いだ。米国の投資家が能天気なわけではない。景気の見通しが暗ければ株など買わない。かなりの強気だからこそ、史上最高値近辺まで買い進めているのだ。

 ちなみに、日本株も最近「上がった、上がった」と騒いでいるが、たかが知れている。日経平均株価は1月30日終値で1万1113円まで回復したが、米国株が史上最高値をつけた日が1万7159円だったことを考えれば、まだ当時を35%も下回る。リーマン・ショックの発端となった米国の株価が完璧に回復しているのに、情けない話だ。ましてや1989年12月29日に記録した史上最高値3万8915円と比べると3割にも満たない水準だ。「株価の勢い」の差は「国力の勢い」の差でもある。

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