投資するなら世界を見なきゃ(ボビー・オロゴン)

2014/2/13

わたしの投資論

世界中を見てきたから分かることがある――。投資家としての顔も持つタレントのボビー・オロゴン氏。ナイジェリアの国立大学の経済学部を卒業、貿易商の父とともに世界を回った経験を生かし、独自の視点で投資という「勝負」に挑んできた。

■5歳から投資、最初はハムスター

僕が投資をするのは、生まれる前からの本能だと思いますね。うちはおじいちゃんもお父さんもナイジェリアの貿易商です。お父さんは人生で一度もチョコレートを口にしたことがないのに、カカオを作っていました。もちろん、商売になるから。そういう血が流れているんだから、僕だって負ける勝負はしない。

ボビー・オロゴン氏 1973年、ナイジェリア生まれ。貿易商の仕事で来日後、日本にとどまる。テレビ出演を機にタレント活動を開始。2007年に日本国籍を取得。

日本のお父さんは子どもにお金の話をするのを嫌がるでしょ。僕のお父さんは、僕がまだ小さいころから会社に連れて行って、お金を数えさせていました。でもくれない。「数えるだけでも大変でしょ。稼ぐのはもっと大変だよ。だからほしかったら自分でがんばりなさい」と教えられたんです。

最初の投資は5歳くらい。お小遣いをためてハムスターを買って、どんどん子どもを生ませては売りました。自分の食事代を削ってまで餌に回して、稼いだお金で次はニワトリを買いました。そこからウサギ、羊とだんだん大きくなって、最後は牛です。高校2年生のときですね。故郷では牛を持つのがひとつのステータスでした。今は外国為替証拠金(FX)取引をやっていますけど、その前から世界中の通貨を銀行で買って、高くなったら売っていました。お父さんに連れられて世界中を回っていた21、22歳のころです。結局売れなかった通貨は今でも記念に持っています。ドイツマルクとか、デノミの前のジンバブエドルとか。

投資でもうけて別荘を買ったとか山を買ったとかよくマスコミに話題にされるんですが、僕にとって投資は金もうけのためじゃない。自分にどこまで才能があるのかを知るための勝負だと思っています。究極の目標は日本を幸せにすること。日本は間違いなくすばらしい国だけど、他の国のいいところを取り入れたらもっとパワーアップできます。日本を幸せにすれば自分も幸せになる。自分のことだけ考えるなんてちっちゃい話じゃないか。

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