マネー研究所

マネートレンド

ビットコイン再考 根強い支持とナカモト氏の誤算

2014/4/4

ビットコインの取引所「マウントゴックス」を運営するMTGOX(東京・渋谷)が、顧客から預かっていたビットコインの流出と経営破綻を発表してから1カ月あまり。日本をはじめ各国で規制の議論も本格化してきたが、目を引くのは、こうした騒動をよそに、ビットコインがなお一定の価値を保って取引されていることだ。低コストで送金できる利便性が、根強く支持されている証しといえる。仮想通貨が持つ可能性を理解するために、ビットコインとはどういうものなのか、改めて仕組みから整理したい。

■ナカモト論文、たった9ページ

Q ビットコインのもととなったとされる「サトシ・ナカモト氏」の論文とはどんなものか?

A 「ナカモト論文」はインターネットで簡単に見つかる。原文は英語で、タイトルは「Bitcoin : A Peer-to-Peer Electronic Cash System」。画期的といわれる「発明」だけに、長大な論文を想像するかもしれないが、実は注釈を含めても9ページしかない。

書かれているのは、金融機関などの第三者を通さず低コストで取引できる電子マネーのアイデア。中央にサーバーを置かず、ネットワークで接続された端末同士でデータをやり取りするピア・ツー・ピア(P2P)という仕組みを使う。

電子データは簡単にコピーできるため、管理主体なしで偽造や二重使用を防ぐのは難しいとされていた。ビットコインは、取引情報を公開し改ざんをきわめて難しくすることでその問題をクリアした。マウントゴックスの破綻後もビットコインの利用が拡大していたり、インターネットを活用した低コストの取引システムとして研究が活発に行われていたりするのも、このアイデアが実際に機能することが実証されたためだ。

Q ビットコインはネット上にどんな形で存在しているのか?

A 自分が1ビットコイン(BTC)を持っているとして、電子財布(ウォレット)に1BTC分のデータが存在するわけではない。ネットワーク全体で、これまでのすべての取引が記録された「帳簿」を共有しているだけだ。取引のたびに帳簿は書き加えられ、「誰がいくら持っているか」という情報が更新されていく。取引記録の連なりこそがビットコインといえる。

多くの論者が、この仕組みを西太平洋のヤップ島で使われていた巨大な石貨にたとえる。重くて動かせないため、支払うときには取引を皆に知らせ、所有権だけが移った。その結果、島民はどの石貨が今誰のものか知っており、同じ石貨で2度支払うことはできなかったという。

ちなみに、ウォレットに入っているのは「公開鍵」と「秘密鍵」のペアで、それぞれ長い英数字の文字列だ。公開鍵は口座番号に当たり、ビットコインを受け取るために必要な情報。一方、秘密鍵は暗証番号のようなもので、ビットコインを送るために必要になる。

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL