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カリスマの直言

NISAにため息 長期投資へ真の改革を(渋沢健) コモンズ投信会長

2013/9/1

私たちのファンドの場合は、投資先の企業から受け取る配当金の相当額を受益者(顧客)に分配金として計上し、その分配金を元本とともに再投資する。このため分配金の部分が課税対象にならないという若干のメリットがあるが、目指している長期投資の果実と比べると微々たるものになる。

■NISAはあくまで「おまけ」 本丸は

8月下旬にソウルで開催された第21回日韓フォーラムで、衆院議員の塩崎恭久さん(右)と

4000本を超える我が国の投信の平均寿命は約2.3年にすぎない。長期投資の受け皿がこのありさまだから、5年が「長期投資」だと当局が思い込むのも無理がないと思う。ただ、資産形成と成長資金供給のためには企業型・個人型の確定拠出年金制度(日本版401k)が本丸であり、その土台の上に乗った「おまけ」がNISAであるという認識が重要だ。NISAの導入により、日本版401k制度への再認識が日本社会で広がることを願っている。

私が提案したいのは、NISAが始まる2014年から5年後に税優遇の改正を施行することだ。当初5年間とされていた証券優遇制度が「様子を見て」延長されたような中途半端なものではない。2019年から一般個人の長期投資優遇として、5年間以上保有している株式や投信から生じる配当・分配金や譲渡益を年間100万円まで非課税にする抜本・恒久的な改正だ。

もちろん、NISAとの連続性を考慮し2014年からの投資を対象とすべきだ。そういう意味では、30年間せっせと毎年100万円を積み立てていた国民の3000万円は非課税にすべきだ。決して「金持ち優遇」ではなく、あくまでも「お金持ちになる優遇」制度だ。

2020年以降の金融業界のビジネスモデルは、ますます変化せざるを得ないだろう。重視すべきは、これまでのように売買回転で販売手数料を稼ぐフロービジネスではなくストックビジネスだ。

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