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カリスマの直言

NISAにため息 長期投資へ真の改革を(渋沢健) コモンズ投信会長

2013/9/1

「NISAが始まる2014年から5年後を目指し、税優遇の抜本・恒久的な改正を提案したい」

お盆休み中の日曜日に留守番電話が3件入っていた。発信元はすべて同じ番号。私が25年以上、普通預金の口座を持っている某メガバンクだ。声は違ったが、メッセージの内容は同じ。「お休み中、大変失礼致しました。先日お送りしたNISA口座開設のご案内はお手元に届きましたでしょうか。もし、ご不明な点がございましたらお気軽にご連絡くださいませ……」

2014年1月に始まる少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)は他社への口座変更ができない。お盆にまでご苦労さまとしか言いようがないが、金融機関がこの機をとらえ顧客を取り込もうと営業攻勢をかけていることを象徴する一コマだ。最近は新聞や雑誌、テレビ、インターネットなど様々な媒体で「NISA」の文字が躍る広告が目立つ。10月からNISAの口座開設が始まるため、こうしたPR合戦は当面続くだろう。もしかすると、NISAでもうけて得をするのは広告代理店だけにならないかと、ちょっと心配してしまうぐらいだ。

「NISAという言葉は聞いたことがあるけど、内容についてはよく分からない」。こんな人は少なくないだろう。NISAは少額投資に対する税優遇制度で、一般個人が恩恵を受けることを目的にしているため、その理解が日本社会に広まることは重要だ。

2003年4月から金利・配当・分配金や譲渡益の税率が10%に抑えられてきた証券優遇税制が今年末に廃止され、元の20%に戻る。その代わりに始まる少額投資の優遇制度がNISAという側面もある。

NISAは来年から2023年までの10年間に限定されていて、毎年100万円の非課税枠が追加される期間は最大5年間だ。つまり非課税となる投資額は最大で500万円ということになる。非課税期間の途中で売った場合は、非課税枠を使ったことになり再利用することができない。

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