30年で1.8倍… 2%インフレに負けない老後の備えアベノミクスがバラ色老後に与える影響(4)

たった2%の差も、老後準備に要する20~30年のスパンで考えると大きな違いをもたらします。今年1000円で買えたモノの値段が来年は1020円になったとします。その翌年はさらに2%値上がりすれば1040.4円です。これを繰り返していくと10年後にはなんと1219円まで値上がりすることになります。20%ではなく22%です。

同じように20年後を考えると40%(2%×20年)ではなく、48.6%値上がりします。30年後にはとうとう1000円のモノの値段は1811円(81%アップ)まで値上がりしてしまうのです。たかが年2%の値上がりであっても、それをカバーできるだけのお金を運用などで増やすには年2%の利回りも必要になってきます。

仮に30歳の人がバラ色老後のために現在価値で3000万円ためようと計画していても、「30年もあれば十分だ」というわけではありません。「いま30歳だから30年後に3000万円」と思っていいのはデフレ時代の発想です。30年後に同じモノを買えるだけのお金を用意したければ「年2%のインフレを見越して5433万円が必要になる」と考えなければいけないのです。つまり、インフレ時代は積み立てる目標額の上方修正を何度も迫られることになるわけです。

また、老後が20年にも及ぶ可能性(平均余命を考えると65歳に達した男性は19年、女性は24年の老後を過ごす)を考えても、2%のインフレは無視できません。リタイアした時点では十分なお金を持っていたとしても、その後の年金生活時にインフレに見合う運用ができなければ、バラ色老後はどんどんしぼんでいってしまう恐れがあるのです。

インフレに備えたお金の準備と対策を考える

もちろん、心配ばかりする必要はありません。インフレ時代には銀行の金利も上がりますから、「ゼロ金利でインフレ2%」というギャップ状態は長続きしないと考えられます。現在の株式相場で起きているような上昇がもたらされ、リスク資産の価値が経済成長に見合う高いリターンを得られることもあります。

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