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なぜあなたはおすすめ投信の正体に気づかないのか

2011/12/27

含み損の生じた投信を抱えている個人投資家は、なぜ買ったのか胸に手を当てて思い出してほしい。動機のひとつとして、自分は運用の初心者だから手軽に買える金融商品にしようと投信を選んだのではないだろうか。そして、おそらく半数以上の方は店頭に出向いて銀行や証券会社の勧める投信を買ったはずだ。もしそうだとしたらすべて売り手のシナリオ通りである。あなたは投信の売り手からみるとネギを背負ったカモである。

■あなたはこうして失敗する

まとまった資金をこしらえたあなた。近くの銀行に出向き、こう尋ねた。「何かお勧めの投信はありますか」

すると店員はにこりと微笑んで「いま新しく募集しているこのファンドが大変人気です。検討されてはいかがでしょうか」。見せられたのは中東や北アフリカの湾岸諸国などに投資するファンドのパンフレット。「中東諸国やアフリカの市場は先進国やアジアとの相関が低く分散投資に有効です。原油高を背景とした国力増強とともにインフラ整備に伴う経済発展は間違いないといわれています。ドバイの急成長をご存じでしょう」

「なーるほどー。説得力あるなあ」。あなたはうんうんとうなづいてすっかり納得し、3%の手数料を払って100万円分の投信を購入した。2008年春のことである。

幾歳が経ち、2011年12月。あなたは送られてきた月次リポートをみながら唇を噛んでいる。上図はそのファンドの月次報告書から抜粋した基準価格のグラフである。1万円だった基準価格は約3100円。落ちるところまで落ちた。分配金はもう何年間も出ていない。69万円の含み損を抱えた塩漬けファンドと、安易に投信を買った自分の軽率な投資行動に対する後悔の念だけが残っている。

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