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相続トラブル百科

3カ月以内に決断 相続放棄は待ってくれない 相続トラブル百科 実践編第60回

2013/7/26

制度上、このリミット3カ月の「熟慮期間」を延長してもらうような手続きも可能ですが、当然ながら無条件で認められるわけではなく、一定の要件をクリアしていなくてはなりません。また、たとえ3カ月の期間内に手続きができたとしても、それだけですべてが免除されるというわけではないということも気を付けなくてはならないでしょう。

相続放棄の手続きを進めておきながらも、すでに遺産の一部に手をつけて処分してしまっているなど、あくまで書類上だけの話とはまた違った次元で、実体的な面からトラブルが発生してしまうようなケースも出てくることを知っておく必要があります。さらに、一部の死亡保険金の給付など、相続放棄をしてもなお受け取ることができるとされる金銭もなくはありませんから、そのあたりの兼ね合いについても判断が難しいところでしょう。

いずれにせよ、故人にまとまった額の借金があった、あるいは借金があったかどうか定かではないものの不安があり、「相続放棄」の手続きを検討したいと思っているのなら、なんとなく後回しにして放置しておくことは非常にリスクが高いといえます。手続きについて心配な部分があれば、期限が刻々と迫る手続きでもあることから、少しでも早く専門家に相談をした方がよいといえるでしょう。次回は、このような場合にとりえる「限定承認」という手続きについて、見ていきたいと思います。

川原田慶太(かわらだ・けいた)
1976年大阪生まれ。司法書士・宅地建物取引主任者。2001年3月、京都大学法学部卒。在学中に司法書士試験合格。02年10月、かわらだ司法書士事務所開設。05年5月、司法書士法人おおさか法務事務所代表社員就任。資産運用や資産相続などのセミナー講師を多数歴任。

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