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相続トラブル百科

「申告漏れ」8割超 やっぱり怖い相続税調査の実態 相続トラブル百科 実践編第12回

2012/7/24

 「82.5%」……決して低くはないパーセンテージのように思えますが、いったい何の数字でしょうか。実は、平成22年の事務年度中に実施された相続税の調査実績のうち、申告漏れが見つかった件数の割合なのです。

 こうした相続税の申告漏れ件数などの数字は、国税庁から毎年末頃に発表されていますが、この年度だけが例外的に多かったというわけではありません。現に、平成22年度からの過去10年間で平均してみると、いったん相続税の調査が入ったならば、実に86%を超える割合で申告漏れが発見されているという事実があります。逆にいうと、調査を受けて申告漏れなしのセーフだった割合が1割とちょっとしかないということですから、これはなかなかの厳しい数字だといえるかもしれません。

 息子「母さん、だいぶ気疲れしたろう? まさか、父さんの一周忌もとうに過ぎてしまってるのに、こんなタイミングで税務署の調査の人が来るなんて思わなかったよなぁ」
 「鬼みたいな恐ろしい人が来るのかと思ってたら、案外優しそうな方が来たもんだから、ついつい世間話ばっかりしちゃったわ」
 息子「父さんのふるさとの話とか趣味の話とか、関係ない話ばかりしてたけど、何か居心地が悪かったなぁ。おれの留学経験なんかも聞いて、何だったんだろう?もしかしたら何か別のことを聞き出すための伏線だったりして」
 「きっと、緊張感をほぐそうと気を遣ってくださったのよ。私は何にも感じなかったけどねぇ。それにしても、年賀状から香典帳まで、あんなに細かくおたずねがあるとは思わなかったわ」
 息子「父さんのパソコンの、インターネットのお気に入りまで調べていたのには驚いたよ。ハンコ類は調べられそうな気はしていたけどね。」
 「たぶん、あらかじめ色々とわかってらっしゃったんじゃないかしら。私の貯金もお前の貯金も、出入りの日にちから残高からご存じみたいで、私たちより詳しいぐらいに思えたわよ」
 息子「確かに、うちの子供たちの預金額まで知ってそうな感じはしたな。質問と答えが文章にされて、求められるままに署名してハンコをついてしまったけど、本当に大丈夫かなぁ」
 「このあと、何にもおとがめがないといいけどねぇ……」

 どうやらこの親子、実地調査を身をもって経験したようです。もしもその場に立ち会っていたとしたら、母や息子とのやりとりから、いったいどんなことを読み取ることができたのでしょうか。いちど想像してみていただければと思います。

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