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相続トラブル百科

夫婦のどちらが長生き? 変わる相続財産の行方 相続トラブル百科 実践編第102回

2014/5/23

なるべく元気で長生きすることは万人にとって望ましく、普遍の真理であるように思えます。ところが相続では「長生き」が思わぬ影響を生じさせることがあります。夫婦の単位、家の単位まで対象を広げて考えると、意外なところに問題が発見される場合があります。具体的には、夫婦のどちらが長生きするかで相続税の負担や財産の行く末が変わるケースが存在します。

例えば、夫婦のどちらかがより多い財産を持っている場合です。これ自体は珍しくない状況でしょう。相続増税でも、夫か妻のいずれかの資産が大きな割合を占めていて、そのために影響を受ける家庭は少なからず存在していると思います。

このとき「資産の少ないほうが長生きする」のか「資産の多いほうが長生きする」のかで、夫と妻、2度の相続にかかる税金負担の合計額が異なる場合があります。

実は相続税に限ると、「資産の少ない方が長生きしないと不利」になる可能性があります。相続税の対象となりそうな夫や妻がいる場合、できるだけそのパートナーより長生きしないと、残念ながら一家としては負担増となるケースが出てきます。

また、相続増税の影響を受ける受けないにかかわらず、夫婦の「どちらが長生きするか」が将来に深刻な影響を及ぼす場合があります。例えば夫婦の間に子どもがいないケースが代表的でしょう。

本人の親や祖父母がすでに亡くなっていれば、その遺産は「亡くなった本人の配偶者」と「亡くなった本人の兄弟姉妹(おい・めい)」が分けることになります。具体的に武田家から来た夫と、上杉家から来た妻が結婚した夫婦の場合を考えてみましょう。

先に武田家出身の夫が亡くなれば、相続人は「上杉家の妻」と「武田家の兄弟姉妹(おい・めい)」です。夫が大事にしていた武田家伝来の兜(かぶと)などの財産があったとして、それらの遺産については上杉家出身の妻にも相続権がある状態となります。

その後に上杉家出身の妻が亡くなっても、もはや相続権の逆戻りはありません。配偶者がすでに亡くなっているため、次の相続人は「上杉家の兄弟姉妹(おい・めい)」のみです。武田家にとっては苦々しいかもしれませんが、すでに武田には相続権のある人間はいないわけです。

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