20年で300万円 マイホームは所有するだけでコスト不動産コンサルタント・長嶋修

さて、前回(「マイホーム、『今が買い時』の虚実」)は「賃貸よりマイホームが得」といった、住宅雑誌などでしばしば特集される、いかにもありがちな結果が出た。住宅雑誌では「だからマイホームを買ったほうがいいですよ」という結論になっているケースがほとんどだろう。

しかし、本当にそうだろうか。実は、こうしたシミュレーションには抜け落ちている観点がいくつもあるが、前回は意図的に考慮しなかった。ここから、本当のところを書いていく。

マンションの共用部には「管理費・修繕積立金」

まず、先のシミュレーションには「修繕・リフォーム費用」が織り込まれていない。マンションの場合、外壁や外廊下・階段、エレベーターなどのいわゆる「共用部」については所有者全体での「積立金」で賄うことになっている。これが「修繕積立金」だ。

前稿では「管理費・修繕積立金」を2万7000円としたが、その内訳は管理費1万2000円、修繕積立金1万5000円を想定している。マンションの修繕積立金に関するガイドライン(国土交通省)によれば、修繕積立金額の目安は、建物全体の大きさにもよるが1平方メートル当たり220円程度で計算した。

各戸の専有部については自分たちで修繕・リフォームを行う必要がある。キッチンやユニットバス、洗面化粧台などの設備は、35年の間に必ず交換することになるだろう。この費用がざっくり100万円。フローリングや壁紙などはどうだろうか。35年間そのままでいられるだろうか。これも張り替えればざっくり100万円。

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