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ビットコイン、ギークが育てた無国籍通貨

2013/12/29

■「ドルとの交換証」が第一歩

これがよく語られるビットコインの歴史。しかし、これだけではなぜビットコインが通貨として成立したかの説明にはなっていない。

発行量がプログラムによって限られ、ドルなどの通貨に対して相場があるという点で、ビットコインは金に似ているといわれる。しかし装飾品などとしてそれ自体に価値がある金に対し、ビットコインは単なるデータだ。無価値のものが支払い手段として流通し始めた現実は、「皆が価値があると思うから価値がある」という、循環論的な通貨の本質を体現しているようにもみえる。

Mt.Goxを運営するTIBANNE(ティバン、東京・渋谷)が立ち上げたサイトによると、ビットコインは09年1月、中本哲史(ナカモト・サトシ)という人物の論文をもとに生まれた。10年2月、最初の小さな取引所ができたことが、ビットコインが通貨として成立するのに重要な役割を果たしたとみられる。

こう考えるとビットコインの価値をイメージしやすいかもしれない。もともとドルなどの通貨は、それ以前に通貨として使われていた金などの貴金属の交換証として発達した歴史がある。現在、金本位制でないことを無視していえば、金と交換できるからドルに価値がある。取引所ができたことによってビットコインはドルと交換できるようになり、その交換証としての価値を持つようになった――。

■「みんなで作る」に支持

では、ドルとの交換価値はどうして生まれたのだろう。

一言でいえば、ギークをひきつける魅力を持っていることが大きい。その魅力は大きく2つ。システムのできのよさと無国籍性だ。

ビットコインはピア・ツー・ピア(P2P)という通信技術によって、金融機関を介さずわずかな手数料ですばやく決済や送金ができる。ポイントは「相互監視」だ。

ビットコインの取引情報はすべて公開されている。取引のたびに、偽造や二重支払いといった不正がないことを、他の利用者が検証し承認する。維持・運営を利用者自身が担うことで、システムの運営コストを下げている。コンピューターの処理によって検証作業をした利用者には、新規のビットコインが割り当てられる。この作業は金の採掘になぞらえて「マイニング」と呼ばれ、相互監視のインセンティブになっている。

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