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相続トラブル百科

意外に短い「相続放棄」までの猶予期間 相続トラブル百科 実践編第59回

2013/7/19

 さきほどの「3カ月」という数字は、「相続放棄」の手続きを裁判所に受け付けてもらえる期間のことであり、これが3カ月以内であるというように決まっているわけです。もともとこの3カ月という時間の枠は、相続を放棄するのかしないのか、相続人たちがよく考えるための期間として設定されているものです。このため、その名もずばり「熟慮期間」と呼ばれています。

 意外なことかもしれませんが、相続放棄の熟慮期間のスタートについては、実は法律上では曖昧な表現が使われています。条文では、相続放棄の期限について「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3カ月以内に、と決められているのです。

 つまり、もっとはっきりとした、例えば「故人の死亡日である〇月×日からスタート」といったような特定しやすい日時では書かれてはいないということです。それもあってか、この「自己のために相続の開始があったことを知った時」というのが具体的にいつになるのかという、時期についての解釈が争われた裁判例なども少なからず存在しています。ただ、ふだんから付き合いのあった近親者の相続であれば、この熟慮期間は死亡日からカウントがスタートする場合が一般的には多くなるのではないかと思います。

 この「3カ月」という設定をどう感じるかは、それぞれが置かれている立場によって大きく変わってくることでしょう。例えば借金を引き継がなければならない相続人の側からすれば、「平日は仕事で体が空かないし、実動できるのは週末だけだと考えたら、意外と日にちがないじゃないか」だとか、「相続するかどうかをよく考えるための期間ならば、もっと余分に時間が欲しい」といった方向の意見に傾きがちかもしれません。負債を引き受けるかどうか判断しなければならない立場としては、考える期間は長ければ長いほどよいというのが正直なところでしょう。

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