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相続トラブル百科

意外に短い「相続放棄」までの猶予期間 相続トラブル百科 実践編第59回

2013/7/19

 そもそも「相続放棄」とは、読んで字のごとく、遺産を相続する立場を捨ててしまうということです。これはマイナスの負債だけについてそうするのではなく、プラスも含めてすべての財産を引き継ぐ立場を放棄する手続きということになります。これとは別に、限定的にプラス分だけマイナスの財産を引き継ぐ「限定承認」という手続きもありますが、その説明はまた別の回に譲ることとして、今回はすべての権利を放棄する「相続放棄」についての話を簡単に確認していきたいと思います。

 この「相続放棄」ですが、よくある誤解として、遺産分けの話し合いの中で「私の取り分はゼロでいいです」とすることと混同されていることがあります。広義のイメージとしては、それも相続を放棄するというアクションのうちに含まれなくはなさそうな気もしますが、残念ながらそれは法律的な意味での「相続放棄」ではありません。

 こうした「私の取り分はゼロでいいです」という分け方は、あくまで相続すること自体は承認しており、遺産の分配としては合意により他の相続人の誰かがもらった、ということにすぎません。少しややこしいかもしれませんが、これは相続する権利自体を放棄したいうこととは別物ということになります。

 今回とりあげている、法律的な手続きとしての「相続放棄」というものは、裁判所の関与がないと成立しません。具体的な手続きとしては、まずは家庭裁判所に対して所定の書類を提出するということになります。なお、この手続きについては毎年のように多数が受理されており、平成23年度も16万6463件(裁判所の司法統計による)の事件数がカウントされています。この数字は家庭裁判所で行われる家事事件と呼ばれる諸手続きのなかでも群を抜いており、目立って多いもののひとつとなっています。

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