マネー研究所

わたしの投資論

波に乗れなきゃ引くのも投資(片山晃)

2014/5/22

成功した人ほど、引き際は難しい。7年半で資産を2000倍に増やした1人の個人投資家が、2013年、株式市場からの撤退を宣言した。現在は運用会社のレオス・キャピタルワークス(東京・千代田)でシニア・アナリストとして活躍する片山晃氏に、ハンドルネーム「五月(ごがつ)」さんとして、いかにして相場を見極めたかを振り返ってもらった。

■リーマン前夜 異変を察知

投資を始めたのは、専門学校を中退してオンラインゲームにはまっていたときに、投資をテーマにしたテレビドラマを見たのがきっかけです。05年5月、資金は65万円でした。当初は投資の元手を稼ぐ必要があったので夜勤をしながらでしたが、だんだん株だけに集中して自分の力を試したいと思うようになり、翌年末には仕事を辞めて専業投資家になりました。

片山晃(かたやま・あきら)氏 1982年、秋田県生まれ。2005年に株式投資を始め、翌年、専業投資家に。ハンドルネームは「五月」。13年からレオス・キャピタルワークスでシニア・アナリストを務める。

08年にはリーマン・ショックがありましたが、本格的な下げが始まる直前に、これはただごとじゃないと気づいて切り抜けました。移動平均乖離(かいり)率といって、いまの株価が、一定期間の株価の平均値からどのくらい離れているかという指標があります。通常の相場だと、たとえばマイナス20%とか、「ここを超えると株価が反発する」というようなラインがあります。当時、鉄鋼の大型株がそのラインにかかっていたので買ってみたら、夜のニューヨーク市場で米国の鉄鋼株が大きく値下がりしたんです。まずいと思って次の日すぐ売ったんですが、こういうことが起きるということは、もういままでの常識は通用しないと悟りました。相場の値動き自体は結構大きかったので、それを生かして細かい売買で稼ごうとうまく切り替えることができました。結果的に、資産は少し増えました。

投資家としてステップアップしたなと思えるのは、その翌年、中長期投資に軸足を移してからです。マーケットも落ち着いてきて割安な株だらけになっていましたし、資産も3000万円を超えていて、いいタイミングでした。決算短信などで企業の財務情報をじっくり見て割安株を見つけるというスタイルを確立したのはこのころです。決算って、単純に役に立つとか立たないとかよりも、面白いんですよね。それぞれの数字にドラマやストーリーがあるわけじゃないですか。そういう変化を見ていくのが楽しいです。

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