生涯賃貸派は老後に覚悟を 追加で貯金2000万円バラ色老後を実現する住宅購入術(3)

65歳の男性は約19年、女性は約24年の老後が待っています。ひとまず20年と仮定し、毎月8万円の部屋に暮らすとします(それでは狭すぎるので16万円の部屋で老後を送りたい人は以下の数字を2倍してください)。家賃は年間96万円、20年では1920万円必要です。賃貸なら更新料がかかるでしょうから、2000万円突破は確実です。

これは普通の世帯に「老後の準備目標は3000万円」と説明するものとは別に考えるべき老後資金です。「生涯賃貸派の老後準備額は5000万円以上」となります。

賃貸派の悩みはまだあります。長生きリスクです。持ち家なら古くても何とか住み続けることができます(固定資産税がかかるが家賃ほどではない)。しかし、賃貸は長生きするほど多くの家賃が必要です。必要な家賃を30年分見積もると、家賃8万円だと2880万円が必要で、予算額は1.5倍に膨らみます。生涯賃貸派は老後準備をかなり上方修正して、必死にお金をためる必要があるわけです。

■今の家賃を払いつつ、老後の20年の家賃をためる方法を考える

「一生賃貸でいたい」と希望するなら、かなりの経済的準備が必要だと分かりました。普通の夫婦が3000万円ためて老後を迎えたいところ、5000万円ためようというのですから、本気で資産を形成しなければなりません。家賃とは別に毎月コンスタントに貯金するだけではなく、ボーナスからもまとまった額を積み立てる必要があります。

まず、家賃を払いながら毎月数万円でも「老後の家賃ファンド」を積み立てる覚悟が必要です。逆にいえば、それくらいの余裕がある部屋を借りるべきです。独身貴族の場合、背伸びして高額物件を借りているケースがあります。地に足のついた物件を選び、老後の家賃確保も同時進行すべきです。

また、ボーナスの一部も「老後の家賃ファンド」に積み立てます。住宅ローンを抱える世帯の多くは、ボーナス返済を併用しています。賃貸派は、ボーナスから回す賃貸費用は新しい部屋の契約費用や更新料くらいだと思っているかもしれませんが、それだけでは不十分です。家賃の2~3カ月相当分はボーナスから残す覚悟が必要です。

運用の力を借りるのもひとつの方法です。40歳から60歳までの20年間、年100万円ためて2000万円を目指すのでは、毎月の生活に大きく支障が出ます。しかし、年利4%くらいの利回りを確保できれば、20年後に2000万円ためる毎年のノルマは65万円くらいに下がります。「毎月2万円+ボーナスごと20万円」でほぼ同額を確保できます。いずれにせよ、生涯賃貸派を貫きたいなら、それなりの覚悟と実行が求められる、というわけです。

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