なぜか高所得貧乏…無駄な「こだわり出費」退治法家計再生コンサルタント 横山光昭

「お金がたまらない」と家計再生の相談に来られるのは、収入が少ない方に限りません。建築会社を経営するKさん(45)の月収は手取りで70万円。奥さん(43)も別の会社に勤める共働き夫婦で、合計収入は月83万円に上ります。大手企業の今夏ボーナス平均妥結額(経団連の第1回集計)にも匹敵する額ですが、貯蓄に回せるお金はほとんど残りません。Kさんは高所得に見合った蓄えが一向に増えず、豊かさを実感できない現状に「いくら稼げばいいのやら……」と悩んでいました。

4月22日付のこのコラム「社長でも貯蓄下手 高所得家計が陥る固定費メタボ」でも同様のケースを紹介しましたが、お金がためられるかどうかのカギは収入の多寡よりも使い方にあります。Kさんの家計の出入りを見ると全体的に支出過剰な「メタボ体質」で、特に住居費が21万5000円、中学1年と小学5年の息子さん2人の教育費が14万円、食費が12万6000円と突出していました。これらに比べれば少なく見えますが、日用品費も3万2000円と一般家庭より高めです。特定の固定費がかさむのは、収入が多い割に貯金ができない家計の典型といえます。

私はこのうち「食費と日用品費と教育費、せめてどれか一つ抑えることはできないでしょうか?」と聞きました。それぞれの費目でどんなものにお金を使っているのかを具体的に探る狙いもあります。やり取りを通じ、Kさんの固定費がメタボ化している原因が見えてきました。

まず食費。外食も多いのですが、それ以上に目立つのが家庭での料理に使う食材への出費でした。「いいものを食べれば病気しない」という信念があり、有機野菜やそれを飼料に育てた肉などにこだわっているのです。日用品でも「安いものは肌や生地によくない」との先入観に縛られ、柔らかく刺激の少ないティッシュや天然素材のせっけん、洗剤ばかり選んでいます。

教育費が高額なのは、個別指導の塾と水泳教室に2人とも通わせているほか、下のお子さんには英語も習わせているためです。

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