マイホーム 買った瞬間、価値ゼロへまっしぐら不動産コンサルタント・長嶋修

以下のシミュレーションをご覧いただきたい。

最初の約25年は債務超過

グラフ1

4000万円の新築住宅を、物件価格の100%ローン(4000万円)、90%ローン(3600万円)を利用したときの、住宅ローン残高と資産価格の推移である。金利は3%。

グラフ1はこれまでのように地価が2%ずつ下落していく郊外住宅地のシナリオだが、どちらの場合でも、資産価格と住宅ローン残高が等価になるのは26~27年後。この間はずっと「家計内債務超過」が発生しているため、万が一売却する場合にはその差額プラス売却費用を捻出しなければならない。

ローンを払い終える頃には建物の価値なし

グラフ2

グラフ2は地価がずっと変わらないと仮定したもの。これでやっとトントンである。

いずれにせよ、「住宅ローンを返済し終わった頃にはすでに建物の価値はなく、土地の価値だけが残る。建物には価値はないが、まだ何とか住める」といった事態を許容するのが、日本のマイホーム購入である。

さらに建物の寿命も日本は圧倒的に短い。他先進国では80~140年の寿命を誇るが、日本はわずか30年である。仮に30年で寿命を迎えるとすれば、住宅ローン返済が終わるころにはまた建て替えを検討しなければならない。

なぜこのようなことになってしまったのか。

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建物の価値と法定耐用年数は連動せず
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