経済政策の行き詰まり映す中国の対外膨張(武者陵司)武者リサーチ代表

2014/6/15

カリスマの直言

「中国・習近平主席の『中華の偉大な夢』とは何なのか」

尖閣を含む東シナ海、西沙諸島、南沙諸島における最近の中国の海洋膨張は、オウンゴールとしか思えない、自ら国際的孤立を招く行為といえる。2013年12月の安倍首相の靖国参拝で「戦後秩序を否定する国家主義日本」との批判が一定の説得力を持っていたその優位性を失うどころか、むしろ「中国こそが無法者である」ことを世界に知らしめてしまった。力にものを言わせた既成事実の積み上げにより、国際秩序を自らの都合のいいように変えていく、20世紀初頭の帝国主義そのものの対応を、世界唯一の超大国の米国が容認できるわけがない。

尖閣諸島の日本の施政権、台湾の対中自立など東アジアの現在の秩序を決めたのは米国である。中国のその地域における核心的利益とは現状変更そのものであり、それを容認すれば米国の東アジアにおけるプレゼンスは壊滅する。これまで係争中の領有権に関しては中立姿勢を取ってきた米国も、力に任せて国境線を変える行為はレッドラインを超えたと判断せざるを得なくなる。

なぜ中国は分かりきった誤り、覇権国である米国の牙をむき出させる行為に出たのであろうか。2つの理由が考えられる。

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中国国内に対外膨張の理由