「正直者は馬鹿をみるのか」 ポルトガルの複雑な心境

マーケットは株も商品も、第2次ギリシャ救済協定合意直後同様に、暫時安堵感が流れ、再びリスク・オンの買いとなりつつある。

金価格も前回は「ギリシャ救済プレミアム」で1トロイオンス1800ドルに接近したが、今回は戻しても1750ドル程度か。前回と今回と異なることは中国要因。目標経済成長率が7.5%にまで引き下げられた負の余韻がいまだに市場には残っている。

米国の量的緩和第3弾(QE3)に関しては、今晩の雇用統計で予想通り良い数字が出れば、QE3後退と解釈されるはずだが、昨日本欄に詳述した新型QEが米連邦準備理事会(FRB)内で検討されているとすれば、相場的には大きな動きにはならぬやもしれぬ。新型QEに関しては、あくまで報道のみで、当のFRBは音なしの構えだ。深読みすれば、あえてリークすることで、雇用統計が良くても、QE後退とするは早計との市場へのアナウンスメント効果を狙ったのであろうか。

市場の潮流としては、4月(あるいは5月初旬に延びる可能性もあるが)のギリシャ総選挙、そしてフランス大統領選挙を控え、再び、欧州発のリスク・センチメントに振れるは必至である。

Sell in May and go away (気候の良い5月には売って相場のことは忘れ人生を楽しもう、という相場格言)という流れになりそうな雲行きだ。

豊島逸夫(としま・いつお)
豊島逸夫事務所(2011年10月3日設立)代表。9月末までワールド ゴールド カウンシル(WGC)日本代表を務めた。
1948年東京生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラーとなる。チューリッヒ、NYでの豊富な相場体験をもとに金の第一人者として素人にも分かりやすく、独立系の立場からポジショントーク無しで、金市場に限らず国際金融、マクロ経済動向についても説く。
ブログは「豊島逸夫の手帖」http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/index.html
ツイッター(http://mobile.twitter.com/search?q=jefftoshima)ではリアルタイムのマーケット情報に加えスキー、食べ物など趣味の呟きも。日経マネーでは「現場発国際経済の見方」を連載中。日本経済新聞出版社や日経BP社から著書出版。
業務窓口は jefftoshima@hyper.ocn.ne.jp
今こそ始める学び特集
今こそ始める学び特集