「正直者は馬鹿をみるのか」 ポルトガルの複雑な心境

ギリシャ国債民間保有者の債務削減交渉の進展を複雑な心境で見守ってきた国がポルトガルとアイルランド。

ポルトガルの寛容はどこまで続くか(リスボン市内にて)

自分たちは欧州連合(EU)提示の条件を受け入れ、血のにじむような緊縮努力を続けてきた。市場も「殊勝である」として好意的な態度。国債利回りも下がってきた。

一方、自分たちよりはるかに巨額の借金を積み上げたギリシャの借金は7割棒引きされる。

「正直者が馬鹿(ばか)を見る」のでは納得できない。「次は我々の国債も棒引きを」との声が既に強まっている。

これに対し、メルケル独首相は「ギリシャは例外」と突っぱねてきた。債務削減により当面のギリシャ火事は何としても消火する。しかし、スペイン・イタリア両国への延焼を防ぐ防火壁(十分な救済資金)構築のメドが立てば、ドイツ国民感情を考慮せざるを得ず、ギリシャ火事消火作業からは身を引く、というただし書きつきであろうか。

既にアイルランドでは、国内緊縮策に欧州景気後退のダブルパンチで今後の経済動向には再び黄信号がともり、早速、「我が国にも救いの手を」との声を高めている。

ポルトガルにしても、緊縮の手を緩め、借金を膨張させれば、紆余(うよ)曲折はあろうが、いずれギリシャの如く借金棒引きされると考えても不思議ではない。モラルハザードがまん延せねばよいが。

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