子が親の財産を知る方法相続トラブル百科 実践編第1回

子供といえども、親の財産について詳細に把握していない場合が多いものです。そもそも故人の遺産がどのくらいあったのか分からないようなときに、遺産を調べる方法はあるのでしょうか。

「ねえあなた、亡くなったお義父さんの遺産相続、そろそろ具体的に話をしたほうがいいんじゃないの」
「俺も気になってはいるんだが、親父の通帳から何から、同居していた兄貴が押さえていて、全容がまるでわからない。大した金額は残ってないって言っていたけど、それも本当かどうか、全然わからないよ」
「このままじゃ、いつまでたっても向こうから教えてくれはしないわよ。うちはうちで調べるしかないんじゃないかしら」
「親父はたいてい駅前の銀行と近所の郵便局で用事を済ませていたようだけど、いちど窓口で聞いてみようか。ただ、そういった込み入ったことを教えてくれるものなんだろうか? プライバシーとか守秘義務とか、いろいろうるさそうだなぁ」
「ほかにも、お義父さんの田舎に土地がいくつか残っているんじゃなかった?」
「確かにそんな話もあったな。ただ、詳しい場所もわからないし、そんな曖昧(あいまい)な情報だけでどうやって調べたらいいのか……。考え出すと億劫でね」

銀行の口座や不動産の名義を調査することは、普段あまり触れる機会も多くなく、見当をつけにくいのが一般的でしょう。それでも、手元に故人の通帳や権利証などが残されていれば、その情報を手がかりにして調査を始められます。しかし、そういったものが見つからない(もしくは見ることができない)場合に具体的に調べるためには、次のような方法があります。

まず、金融機関の預金については、相続人から申し出をすれば、故人がその銀行と取引をしていたかどうか、一部の例外のケースを除いて確認することができます。そして、取引があった場合には、その口座に残っている金額を知ることができる、残高証明書を発行してもらうことができます。

ただし、この残高証明書を確認しても、その金額が遺産の内容を正確に反映しているとは限らない場合もあり注意が必要です。残高証明書で特定の時点での預金残高が分かっても、その前後のことは不明です。たとえば、亡くなった日の時点で100万円の残高であったとしましょう。しかし、実は数日前には倍の200万円が残っていたのに、亡くなる直前に引き出されて移動していた、というようなケースもありえます。ところが、残高証明書には亡くなった時点での100万円のことしか書かれていません。これでは、遺産に含まれていたかもしれない、残りの「消えた100万円」のことが把握できないのです。

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