「適正な保険料は、だいたい手取り収入の7%です。たとえば手取り月収が30万円の家庭なら、2万1000円が適正な保険料」。最近、ある雑誌の記事で目に留まった記述です。保険会社の人ではなく、フリーランスのファイナンシャルプランナーの発言です。
こども保険や個人年金のような、貯蓄目的の保険は除いた場合、という注釈がついているので、純粋にリスク管理のための出費について、手取りの7%ということです。
保険料負担の目安については、お客様はもちろん、マスコミの人からもたびたび尋ねられます。従来、私は「ゼロに近いほどいいでしょう」と回答してきましたが、最近、マスコミの方には「失礼ながら、意味がある質問だとは思えませんが……」とも言ってみることにしています。
年齢や家族構成等に関わらず、どれくらいお金に余裕があるかで保険の必要性は変わるはずだからです。金銭的な余力は、収入の多寡、ローンの有無、生活習慣などによって変わってきます。職業の違いによる社会保障制度や勤務先の福利厚生制度とも関係します。したがって、一般論として語ることに無理があると感じるのです。
なにより、具体的なパーセンテージの提示を避けたいのは、一般の方が「それくらいの金額であれば、月々払っていける」という感覚を、持たない方がいいと考えるからです。
実際、手取り収入30万円の人が、毎月2万円強の出費に耐えられないことはないかもしれません。しかし、年間25万円ほどの負担です。20年間続くと500万円を超える金額になることを忘れてはいけません。