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松井証券社長「私が創ったビジネス、ぶっ壊す」 「即時決済取引」導入、松井道夫氏が寄稿

2011/10/11

松井証券は証券業界、特にそのビジネスモデルにカビが生え、安売り競争しかできなくなったネット証券業界をぶっ壊す。ネット証券ビジネスを旗揚げし、手数料を引き下げ、業界に革命を起こして10年。どうやら変革の第2幕を考えざるを得ない状況になってきた。

松井証券は「即時決済取引」という全く新しい株式売買の場を個人投資家に提供し始めた。これにより個人売買の半分以上を占めるデイトレードに大きな変動が起きると確信している。この取引での信用取引手数料は全て無料、現物株の手数料も、売買代金の一日累計100万円までは無料とする。ここ数年来続いていた手数料引き下げ競争は、これにて終幕だ。当然、証券会社の競争の構図がまたもや大きく変わる。

私が松井証券に入ったのはバブルが始まる1987年。NTTが上場し、カネが天から降ってくる時代だった。証券会社はどこもすごい利益を上げ、野村証券は5000億円の経常利益を4年間続け、しめて2兆円。山一証券も4年間で1兆円くらいの経常利益を上げていた。

「おやんなさい でもつまんないよ」

大学卒業後、私は日本郵船で激烈な国際競争を経験した。どんなに必死に仕事をしても利益は上がらない。郵船にいた11年間はコストをいかに下げるかを、ひたすら考える日々だった。海運業界の厳しいコスト競争を目の当たりにしてきた私にとって、バブル期の証券会社のビジネスはあり得ないものだった。「こんな商売はお天道さまが許さない。いつかきっと罰が当たる」と私は言い続けていたが、社内の人間は、「道夫さん、それは我々がおかしいのではなく郵船がおかしいんですよ」。そうこうするうちバブルが弾け、証券会社の破綻が続いた。本音を言うと「ざまあみろ。世の中そんなに甘くないんだよ」だった。

松井証券の社長になったのは1995年だが、社長的な仕事は1990年代の初めからやっていた。従業員100人の小さな老舗証券会社に娘婿という成り行きで入った。当時社長の岳父から言われた言葉が「おやんなさい でもつまんないよ」。

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