連休明けの10月11日から、試運転として、まず流動性が高い東証・大証重複上場の20銘柄をピックアップしてサービスを開始した。10月24日ごろには50銘柄まで増やす予定で、軌道に乗れば銘柄数を更に増やしていく。これは日本で初めての試みであり、株では世界で初めての試みだ。これで、デイトレーダーの争奪戦を有利に展開できると思っている。苦い教訓を生かし今回は種々のパテントを取っている。これまでのように他社は簡単には追随できない。どうしてもやりたいのなら、「松井のアレ」の一顧客となってもらえばいい。その仕組みも追い追い準備するから大歓迎だ。

10年ちょっと前、松井証券が始めた本格的なネット株取引でも、当初は「以前に業界挙げて取り組んで見事に失敗した、ファミコン・トレードに毛が生えたようなものだろう」というのが大方の予想だった。現実は全く違ったものになった。新しい試みは例がないだけに予想がつかないのは世の習いだ。

イノベーションは常識を覆すことだと私は思っている。今回の「松井のアレ」もその発想で生まれた。大正7年創業以来、松井証券が守ってきた矜持(きょうじ)は「他者の真似はしない」。真似しての商売など、そもそも面白くない。

松井道夫(まつい・みちお) 1953年、長野県生まれ。第4代松井証券社長。一橋大学経済学部卒業後、日本郵船に入社。87年に義父の経営する松井証券に入社し、95年、代表取締役社長に就任。98年に日本初の本格的インターネット株取引を開始。「日本版ビッグ・バン」を牽引した一人として「証券界の革命児」と称されるが「異端児」とも揶揄される。2001年東証一部に直接上場を果たす。革新的なサービスを次々に導入するも全て真似され、昨今は「松井の時代も終わったね」といわれるが、闘志は衰えていない。
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