海外不動産投資は甘くない 様々なリスクあり不動産コンサルタント・長嶋修

これから高度経済成長期を迎え、オフィスやホテル、住宅はもちろん、あらゆるモノやサービスの需要が旺盛なアジア新興国は、不動産投資先として最有力候補のひとつ。ただし海外投資には特有のリスクがいくつもある。法体系もビジネス慣行も、ビジネスマンの仕事に対する意識も、取引の仕組みも、何から何まで日本とは異なるためだ。

日本人をだます日本人も

また、ひとくちに海外不動産といっても、もうそれは「有象無象」の世界。高く売りつけようと待ち構えている者もいるし、怪しげな投資物件もたくさんある。また契約が終わり物件を引き渡し終わった途端に知らん顔、実際には契約内容と大きく異なる、賃貸の入居者を探すのに苦労するなどのトラブルも散見される。英語ができない日本人をだますのは、英語ができる日本人であるケースが多いことに留意したい。

建物の品質も大きく異なる。新築住宅で比較した場合、日本の住宅品質は、省エネ性能を除けば設計・施工ともに世界一といってよい。とりわけ耐震基準はダントツだ。新興国の住宅の耐震性は、日本の住宅の耐震性と比べれば当然に低い。基準が異なるため一概に比較はできないが、たとえばフィリピンの場合は日本の1981年までの基準である旧耐震基準と同程度の水準である。

次に「為替リスク」。いくら収益が上がったり資産価格が上昇したりしても、現地の通貨が安くなってしまえば、思うような結果は得られない。米国の量的緩和縮小などがあれば新興国通貨はとたんにしぼんでいく。為替の大きなトレンドをつかんでおくのは必須だ。

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