2013/12/30

日本の歩き方

最後は沖縄の戦後史に注目したい。沖縄は14歳以下の年少人口比率と合計特殊出生率でダントツの1位。だが「子だくさん県・沖縄」の歴史が浅いのは意外に知られていない。

沖縄の合計特殊出生率は米国施政下で全国平均を超えた
全国沖縄
1925年5.13.85
1930年4.73.69
1950年3.65
1960年2
1970年2.13
1980年1.752.38
1990年1.541.95
2000年1.361.82
2005年1.261.72
2010年1.391.87

(注)国立社会保障・人口
問題研究所調べ。1950~
70年の全国は沖縄を含ま
ない。沖縄は米軍施政下
のデータがない

国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集」をひもとくと、戦前(1930年)の沖縄の合計特殊出生率は3.69と全国44位にとどまっていた。こうした状況が一変したのは、48年の優生保護法(現・母体保護法)施行による人工妊娠中絶の合法化がきっかけだ。本土では官民による産児制限運動の影響で出生率が急低下した。

一方、沖縄は米国施政下だったため産児制限運動の影響が及ばなかった。日本復帰後の80年、沖縄の合計特殊出生率は2.38。全国平均の1.75を上回った。

調査会社、アルファ社会科学(東京・中央)の本川裕主席研究員は「沖縄は日本の出生率低下から隔絶されており、その影響が今でも続いている」と指摘する。「本土では高度経済成長に伴って進学熱が高まり教育費が急上昇したのに対して、沖縄では育児コストが本土ほど上がらなかったことも出生率低下が緩やかだった背景の一つ」と見る。島ぐるみで子育てをする文化があるのは九州の離島と同じだ。

九州・沖縄では高齢化が全国に先駆けて進んでおり、地域の活力低下を招くとの懸念が強まっている。だが、子だくさんである点を逆手にとれば、地域を浮揚させる一助になるかもしれない。(西部支社 川路 洋助)

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