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大阪の地下鉄、相互乗り入れなぜ少ない?

2012/12/29

私鉄やJRに乗って梅田や難波に降り立った時、「本町や心斎橋まで直通だったら」と思った経験はないだろうか。大阪の地下鉄は8路線あるが、他の鉄道会社と相互乗り入れしているのは3線だけ。13路線中10線で乗り入れ運転している東京の地下鉄に比べぐっと少ない。なぜ大阪の地下鉄は、乗り換えが必要な今の形になったのか。
御堂筋線の電車にはパンタグラフがなく、車輪の横のレールから集電している

理由を知りたくて大阪市交通局総務部の山本雅之鉄道事業企画担当課長を訪ねた。山本課長は「構造上、不可能なんです」と即答。差し出された御堂筋線の車両写真を見ると、通常の電車の上に必ず付いている、パンタグラフと呼ばれる装置がない。

御堂筋線の開業は戦前の1933年。当時は工事技術が未熟で、高さのあるトンネルを掘るのが難しかった。このためトンネルの高さを低くできる「第三軌条」という方式が採用されたという。線路脇の別のレールから集電する方式のため、パンタグラフを使う既存の電車は走れない。

◇            ◇

技術が進歩した戦後になっても、乗り入れを前提としない第三軌条での地下鉄建設が続けられた。山本課長は「3号答申に沿ったからです」と教えてくれた。3号答申とは58年に運輸相(現国土交通相)の諮問機関である都市交通審議会が作成した「大阪市及びその周辺における都市交通に関する答申」のこと。大阪の鉄道旅客数増加にどう対応するかがまとめてある。

要約すると「郊外私鉄は既設の地下鉄(御堂筋線)と一体的な交通網を形成するのが望ましい」とある。同答申を受け京阪電気鉄道が淀屋橋、近畿日本鉄道が難波まで延伸。主要路線が御堂筋線に連絡する交通網ができていった。

答申には、地下鉄は「東西及び南北を貫通する路線を基本」とするとも書かれている。これに沿う形で交通局が地下鉄建設を進め、格子状の路線網が整備された。結果、大動脈の御堂筋線に乗るには「どの駅から乗っても大抵、1回乗り換えれば済む」(山本課長)。見方を変えれば東京より便利かもしれない。

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