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高いタワー、なぜ関西には建たないのか

2012/3/24

東京スカイツリーが5月22日の開業を前に脚光を浴びている。高さ634メートルでタワーでは世界一。ツリーに抜かれた東京タワーも333メートルあるのに、関西の代表選手の通天閣、京都タワー、神戸ポートタワーは100メートル台だ。関西にはなぜ対抗できるタワーが建たないのだろう。

■電波送信、山上で十分

通天閣は高さ103m(大阪市浪速区)

「関西は生駒山や摩耶山などの山上に塔を設ければ必要な範囲をカバーできます。平地に高い電波塔が必要ないのです」。総務省近畿総合通信局放送課の片桐眞治課長が即答してくれた。確かに関西の3タワーは観光専用。電波塔ではない。大阪のNHKや民放はまず生駒山に放送番組を送り、山上の電波塔から家庭や中継局に送信している。

◇            ◇

ケーブルで生駒山に登ってみた。標高642メートル。大阪、兵庫、京都、奈良方面を見渡せる絶景だ。山上遊園地の遊戯施設に交じり電波塔がロケットのように林立する。一番高い読売テレビ放送の電波塔は山の高さを合わせて723メートル。スカイツリーを上回る。

一方、平たんな関東平野では高い電波塔が必要。超高層ビルが増えたうえ、モバイル端末に電波を安定的に届けるため東京タワーより高い塔が必要になった。

「関西のように平野部に高い送信塔がないのは大都市圏で比較的珍しい。大規模な送信塔は不要な一方、山がちなため中継局は数多く必要になる」。全国の主要送信塔をすべて巡りウェブサイトで紹介している富山県高岡市の会社員、新保智さんは説明する。

かつては「大阪タワー」(158メートル)が大阪市北区にあった。朝日放送が1966年に使用を始めた番組送信用の電波塔で、スタジオや展望台も備えて観光名所だったが、同社の移転後、2009年に解体された。

取材の中で、生駒山上にテレビ局の電波塔を集約する幻の総合タワー構想があったと耳にした。山上を保有する近畿日本鉄道に尋ねると、「91~92年ごろテレビ局と研究会をつくり展望台を兼ねたタワーを検討したが、話がまとまらなかったようです」という。

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