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関西のぜんざい、関東ではおしるこ 呼び方なぜ違う

2013/11/17

 気温が下がると、あったかい食べ物が恋しくなる。粒あんの汁に、ちょっと溶けかかった餅や白玉……。そう「ぜんざい」だ。ところが東京の友達は「それは、おしるこだよ」と言い張る。調べてみると、うどんの“きつね・たぬき論争”のように関西と関東では認識に大きな隔たりがあった。
1人前を2杯に分けて提供する「夫婦善哉」(大阪市中央区)

 大阪・ミナミ。法善寺で赤ちょうちんを提げている店がある。生誕100年を迎えた作家、織田作之助の小説で有名な「夫婦善哉(めおとぜんざい)」だ。店名と同じ看板メニューは1人前のぜんざいを2つの器に分けたもの。しっかりとした粒あんの汁に愛らしい白玉が入っている。

■関東、汁気あれば「お汁粉」

 そもそも、ぜんざいとおしるこ、何が違うのか。和菓子の老舗である虎屋(東京・港)の菓子資料室「虎屋文庫」を訪ねた。

 「関西は粒あん・こしあん、関東は汁気のある・なしで区別しているようです」と研究主査の森田環さん。関西では粒あんで汁気があるものが「ぜんざい」だ。こしあんで汁気があるものを「おしるこ」と呼ぶ。汁気のない粒あんの場合は「亀山」などと呼んで区別している。

 それに対して関東では汁気があれば「おしるこ(お汁粉)」とひとくくりにする。粒あんを使っていたら「田舎汁粉」「小倉汁粉」、こしあんを使ってたら「御膳汁粉」という具合。汁気がないあんを餅や白玉に添えると「ぜんざい」になり、冷たくしたものは夏のデザートとして好まれている。

 なぜ関西と関東でこんなに違うのか。深まる謎に苦しんでいると、森田さんが助け舟を出してくれた。「江戸時代には、もう違いがあったようですよ」

 江戸時代後期の風俗を記した「守貞謾稿(もりさだまんこう)」には善哉が登場する。「京都・大阪では専ら赤小豆の皮を取らず、黒糖を加え、丸餅を煮る」という感じに説明する。この書物、汁粉についても言及がある。「江戸では赤小豆の皮を取り、白糖の下級品あるいは黒糖を加え、切り餅を煮る。京都・大阪でも皮を取ったものは汁粉またはこしあんの善哉という」

 関西から江戸に広がった食べ物であるとも考えられるが「呼び名が分かれた経緯を示す文献は見つかっていない」(森田さん)らしい。関西のぜんざい・おしるこの違いが正しく伝わらなかったとの説もある。

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