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富士山、関西から見えた 3年がかりで撮影成功

2013/6/9

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産への登録が確実になった富士山。雄大な姿を望める場所が多い東京や地元の静岡・山梨などが沸く一方、遠く離れた関西での盛り上がりはいまひとつだ。ところが、実は関西にも富士山が見える場所があるという。

■富士山から322キロ、那智勝浦で撮影

 日の出直前、暁色に染まる空。浮かび上がる円すい形のシルエットは、紛れもなく日本一の霊峰だ。写っているのは標高2800メートルから上の部分で、手前に広がるのは熊野灘。右端の海面近くには、志摩半島南端にある灯台のあかりが光る。

 この写真が撮られたのは和歌山県那智勝浦町の小麦峠(現在は色川富士見峠に改称)。富士山頂からの距離は322.9キロ。2001年9月、アマチュア写真家の仲賢さんらが700ミリ相当の望遠レンズで撮影した。「3年がかりで現地に20回以上も通い、やっと成功した」と振り返る。

 現地へは麓の登山口から草木が茂る急な山道を50分ほど歩いて登る。すると東への視界が一気に開ける場所があった。これなら条件がそろえば富士山が見えても不思議ではない、と思わせる。

 天候や季節によって三重県の伊勢などから富士山が見られることは古くから知られていた。近年になって和歌山の一部からも見えると分かり、何人ものプロ・アマの写真家が撮影に挑戦。小麦峠は色川富士見峠と呼ばれるようになった。同町によると「最も遠くから富士山が見える場所」という。

■見える場所、パソコンで計算

 根拠になるのが東京の高校の地理教諭、田代博さんが制作した「富士山可視マップ」。全国の富士山が見えるスポットを網羅し、一目で見えるかどうかを判別できる。山岳マニアの田代さんは1980年代にマップを制作、地理雑誌で発表した。初めは地図上の任意の地点と富士山頂を一直線で結び、間にある山々の標高を計算して「可視」を判断。気の遠くなるような作業を重ねて完成させた。

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