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耳寄りな話題

大阪の中心部、カラスが少ない意外な事情

2013/9/8

耳寄りな話題

「大阪の街中にはカラスが少ないね」。出張で来阪した東京本社の同僚がこう言った。聞けば東京の都心部では傍若無人なカラスによる被害が相次ぎ、10年ほど前から大規模な駆除が展開されているそうだ。確かに大阪では、被害が問題化した話は聞かない。東西の大都市で、その生態にどんな違いがあるのか。
公園で餌を探すカラス(大阪市中央区)

「ごみ袋を破って中身をまき散らす」「鳴き声や大量のフンに悩まされている」。東京都に寄せられたカラス被害を調べて、深刻さに驚いた。ピーク時の2002年度は年に約3800件の相談があり、23区内の都市部に集中。「威嚇された」「襲われてケガをした」ケースもあった。

カラスよけ剣山、中心部からの注文ほとんどなし

都は01年に対策プロジェクトを発足し、捕殺や巣の撤去を進めた。これにより12年度の相談は335件と、10年間で10分の1以下に激減。「対策前、約3万6400羽だった推定生息数は12年度は1万7900羽と、ほぼ半減しました」と都の担当者は話す。

大阪市はどうか。12年度の相談は299件と、現在の東京と大差ない。ただ市の担当者によると「相談はかつてはほとんどなかったのですが、報道などで関心が出てきたのか少し目立ち始めたので、4年前から集計するようになったところです」。それでも襲われてケガをしたなどの深刻な被害はまだないそうだ。

カラスよけグッズのメーカーにも確認した。羽を休めないよう軒先に取り付ける金属製の剣山を製造する宏友(兵庫県西宮市)では「確かに大阪の繁華街からの注文はほとんどありません」(管理部の高橋尚子マネージャー)。

日本野鳥の会大阪支部(大阪市)の橋本正弘支部長に聞くと「“カラス密度”が東京と違います」と教えてくれた。同支部などの05年の調査では、府内(約1900平方キロメートル)の推定生息数は約1万2千羽。東京都(約2200平方キロメートル)は1万7900羽だから、1平方キロ当たりの生息数は東京が8.1羽、大阪が6.3羽で、大阪の方がやや少ない。

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