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もうすぐ奈良・若草山の山焼き 用意周到の舞台裏は 外来種除去・鹿防ぐ柵…

2014/1/12

 古都・奈良の伝統行事、若草山の山焼きが25日夜に行われる。山全体に火が回り、寺社の形が夜景に浮かび上がるさまは冬の観光の華だ。もっとも、山の斜面を美しく燃やし観光客を楽しませるため、裏では周到な準備が重ねられているという。どんな工夫だろう。

 燃やす草地は東京ドーム7個分の約33ヘクタール。枯れたススキが多ければ見栄えが良くなる。山の管理を担当する奈良県の奈良公園室室長の中西康博さんは「最近はナンキンハゼが見られる」と渋い表情だ。樹木のため燃えにくい厄介者だ。鳥が実を運んで、広がったらしい。「根が横に伸びていて引き抜くのは無理。毎年秋、30人がかりで10日間、伐採しているが追いつかない」と中西さん。

■火をつけるのは消防団

 現場作業にあたるのが奈良公園管理事務所だ。主幹の森順児さんは「ワラビも厄介者。まるでススキとナンキンハゼ、ワラビの陣取り合戦のようだ」と話す。ススキの苗を育て、春先に1000株ほどを植える。県内企業などボランティアも協力する。よく育つよう堆肥をすき込むが「ワラビばかり大きくなる場合もある」と苦笑する。

(左上は奈良市消防局提供、その他は県提供)

 苗を植えても油断できない。鹿などが芽を食べてしまうからだ。食害を防ぐため、鉄柵で囲む対策をとっているが、柵の下を掘られることもある。穴をまた柵でふさぐイタチごっこ。様々な努力で、ススキが守られている。

 それでは当日は火を付けるのは誰なのか。県に聞くと、奈良市の消防団の担当と分かり、話を聞くことにした。

 川嵜政信団長は「火をつけるのが仕事の珍しい消防団」と笑いながら、教えてくれた。奈良市内にある22の分団全てが出動し、今年は268人の団員が参加する。58人の消防署員が支援し、寺社では自前の消防隊も待機する。

 団員は背中に分団名が書かれたはっぴやジャンパーをまとう。右手に着火用のたいまつ、左手には火消し用の竹ぼうき。水20リットルが入った消火用タンクを背負う人もいて、斜面を登ると汗だくだ。

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