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大阪、実はワイン造りの適地 100年の歴史 ブドウ栽培日本一の時代も

2013/2/23

国産ワイン(果実酒)の産地といえば山梨県や長野県が知られる。関西では大阪や京都、兵庫などで国内の出荷量(課税数量)の4%が造られている程度だが、実は歴史は古い。大阪府柏原市には1914年(大正3年)に醸造を始めたワイナリーがあり、兵庫県には明治時代の醸造所跡も。関西のワインの歴史を探った。
ワイン造り向けに改造した日本酒用圧搾機の前で話すカタシモワインフードの高井社長(大阪府柏原市)

向かったのは14年にワイン造りを始めた柏原市のカタシモワインフード。創業期の木製ブドウ圧搾機が保存されていた。

「もとは日本酒造りに使われていたものです」と社長の高井利洋さん。祖父、高井作次郎氏がワイン醸造を始めた時は手探りで「道具は自分たちで考え作ったようです」(高井社長)。

原料の甲州種のブドウの苗木は、大阪府が東京の新宿御苑から配布を受け、1878年から今の柏原市などで栽培された。

同市や羽曳野市あたりはブドウ栽培に適した気候。府立環境農林水産総合研究所(羽曳野市)の総括研究員、細見彰洋さんは「この辺は山に囲まれ南風や東風が遮られるため雨が少なく、ブドウ栽培に向いている」と説明する。

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樹齢99年の甲州ブドウの木(大阪府柏原市)

大阪府のブドウの栽培面積は昭和初期に1000ヘクタール近くになり、山梨県を抜き全国1位だったとの資料もある(2011年は収穫量で7位)。品種別では、今ではデラウエア種が約9割だが、当時は甲州種が最多。同社では当時の甲州種を引き継ぎワインを造っている。最も古い木は樹齢が99年。今でも20房程度のブドウがなる。ブドウの樹齢が高いほどワインは複雑な味になるとされる。

「堅下甲州合名山南西畑2011」(720ミリリットル入り、ネット通販で2625円)は樹齢の高い木のブドウを原料にして造った。澄んだ薄い黄色で洋ナシの香りがする。温暖な気候のせいか、どっしりした風格もある。繊細なワインが多い山梨県産とは違う味わいだ。

大阪がブドウの一大産地だった頃、大阪発祥の酒類メーカー、サントリーホールディングス(HD)は地元のブドウを赤玉ポートワイン(現赤玉スイートワイン)の原料に使っていた。「大阪府はデラウエア種、甲州種、マスカットベリーA種の供給地の1つだった」という。

同社は1899年に創業、1907年に甘みを出した同ワインを発売した。19年には築港本工場(現大阪工場)を建設し大量生産。広告も当たって市場を席巻し、この利益をもとにウイスキー製造に乗り出す。

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