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銭湯、関西になぜ多い? 東京よりも集積

2011/11/20

親子連れがくつろぐ「めがね温泉」。大阪市生野区には53軒が集積している

大阪や京都の街中を歩くと、意外な場所で「ゆ」の文字が入ったのれんを見かける。近年めっきり少なくなった銭湯だ。銭湯は江戸情緒の残る東京に多いイメージがあるが、関西の密度はそれを上回る。なぜ関西には銭湯が多いのか、理由を探った。

全国屈指の銭湯集積地といわれる大阪市生野区に向かった。区内では53軒が営業している。平日の夕方、銭湯「めがね温泉」には、手ぬぐいなどの入浴セットを持った人がひっきりなしに訪れていた。年齢層は幅広く、親子連れの姿もある。

人口10万人あたりの
私営一般公衆浴場数
順位市名浴場数人口10万
人あたり
1大阪市48718.3
2青森市4715.7
3尼崎市6514.8
4東大阪市6814.4
5京都市20013.6
6函館市3713.3
7鹿児島市6313.1
8富山市5212.3
9金沢市3810.2
10旭川市318.9

(注)厚生労働省「2010年度衛生行政報告例」、
総務省「2010年国勢調査」をもとに全国の政令市・
中核市を比較

一般に「銭湯」と呼ばれる私営一般公衆浴場。政令市・中核市で人口10万人あたりの数を見ると大阪市は18.3カ所とトップ。兵庫県尼崎市が3位、大阪府東大阪市が4位、京都市が5位と、関西勢が上位にランクイン。東京23区のデータはないが、東京都は6.1カ所。大阪府は9.5カ所、京都府は8.5カ所で、都道府県単位で比べても関西の銭湯密度は高い。

理由の一つと考えられるのが歴史の長さ。「京都には中世から公衆浴場があった」と京都大学の金坂清則教授は話す。狩野永徳の作で1574年に織田信長が上杉謙信に贈ったと伝わる「上杉本洛中洛外図屏風」では、「ふろ」に人々が出入りしている。

◇            ◇

「湯屋(ゆや)」や「ふろ」と呼ばれた銭湯は江戸時代、城下町が成立すると一気に増えた。「住居に風呂がない時代、居住地を形成するにはまず公衆浴場をつくる必要があった」(金坂教授)。特に人口が多い京都や大阪では、一定の金額を払って入浴する銭湯が運営しやすかった。

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