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銭湯、東西でこんなに違う おけ・浴槽・カラン…

2012/3/17

「関西の合理的な考え方も影響しているのでは」と指摘するのは、銭湯に詳しい庶民文化研究家の町田忍さん(61)。「大きなおけで湯をくまれたら浴槽の湯がすぐ無くなってしまう」という銭湯経営者のそろばん勘定もあるはず、とにらむ。

■関西では中央に浴槽

32年かけて全国約3200の銭湯を回った町田さんは「ほかにも関西の銭湯には多くの特徴があります」と話す。

まず浴槽の位置。全国的には浴場の入り口付近にはカランが並ぶ洗い場があり、浴場の奥に浴槽がある配置が一般的だ。

だが関西では、浴槽が浴場の中央にある銭湯が多い。浴槽の周りには腰掛けられるよう、段が設けてある。ここに座って掛け湯をし、浴槽から湯をくんで体も洗う。

浴槽をぐるりと囲むように壁にカランが並んでいるが、数は他の地域に比べ少なめ。カランの下におけを置く台があるのも関西の特徴という。

こうした違いは何に由来するのか。「確たる理由はよく分かりません」と町田さんは話す。

昔ながらの趣を残す大阪市生野区の銭湯「源ケ橋温泉」で一風呂浴びた。常連らしき男性客は、浴場に入るなり風呂おけで浴槽の湯をくんで数回浴び、ドボン。後から来た客も皆、同じ入浴手順だった。「なんでやろか。大阪では昔から皆、そうやって入るからなあ」と経営者の中島弘さん(69)が話してくれた。

関東出身の記者には、ちょっと不思議な関西の銭湯。だが広い浴場で、のんびり湯につかる心地よさは東西共通だ。

(大阪社会部 松本勇慈)

[日本経済新聞大阪夕刊いまドキ関西2012年3月14日付]

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