2013/7/13

耳寄りな話題

大阪は東京に比べ、相互乗り入れが少ない。例えば13路線中10線で乗り入れ運転している東京の地下鉄に対し、大阪市営地下鉄8路線で相互乗り入れしているのは3線のみ。大阪の方が、専用車両を運行しやすい条件が整っているのは確かなようだ。

話を聞くうち、専用車両への意識自体に東西の違いを感じてきた。「関西は他社と並走する路線が多く、サービス競争が盛んだから」。関西の鉄道会社は終日運行について口をそろえる。専用車両を「女性に快適に乗ってもらうためのサービス」と考え、前向きに取り組んでいるのだ。

女性車両の位置、関西は中央 東京は端

その表れが専用車両の位置。東京では大半の路線が先頭か最後尾にある。「乗務員に近く、何かあった時に対応しやすい」(東武)からといい、防犯優先といえるだろう。一方、関西では大半の路線が列車の中央付近に設ける。「分かりやすさを重視」(JR西)、「混みにくい位置」(阪急)など、女性客の利便性や快適性に重きを置く。

男性を含めた乗客の理解度も差を感じる。東京急行電鉄は05年、東横線で終日運行を始めたが、わずか1年で朝夕の時間帯限定に戻した。「『不公平だ』との意見を含め賛否もあり、利用者が少ない日中はやめました」と担当者は話す。

大阪ではどうか。大阪市交通局は「02年の導入当初は『逆男女差別だ』など批判も受けましたが、最近はわずかです」と話す。実際にホームで男性客に聞いてみた。「女性のためには、ええんとちゃう。不公平とは思わんなあ」(30代会社員)。「合理的や。ずっと昔からあったような気がするわ」(60代自営業)

大阪文化に詳しい「上方芸能」発行人の木津川計さん(77)は「大阪は昔から商いにいそしむ町人の街。相手を不快な気持ちにさせない気配りの文化が根付いている。女性専用車両の広がりの背景には、こうした相手をおもんぱかる市民性があるのかもしれない」と話す。

(大阪社会部 大西康平)

[日本経済新聞大阪夕刊いまドキ関西2013年7月10日付]

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