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かりんとう、関西ではなぜ硬い 腹持ち重視?

2014/4/13

関東出身の記者が関西に赴任し、かりんとうを初めてかじった時、「硬いな」と感じた。地元では食感がさくさくとしてもう少し軟らかかったような気がする。関東と関西のかりんとうは違うのだろうか。

手掛かりを求めて文献を探す。和菓子の歴史をつづった「和菓子と日本茶の教科書」(2009年、新星出版社)を見つけ、ひもとくと「関東地方ではやわらかいかりんとうが、関西地方ではややかためのかりんとうが多く」と記述がある。また「生地の発酵を長くしてやわらかく仕上げ、(中略)小ぶりのものが関東では主流」ともあった。

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実際に検証してみた。食品メーカーの開発支援などを担当する兵庫県立工業技術センター(神戸市)を訪ね、硬さを比べる硬度計を借りる。対象物に刃で少しずつ加重し、人の歯でかみ砕くのに必要な力を調べる機械だ。割れた時点の数値が大きいほど硬い。

関西のかりんとうはじっくりと時間をかけて揚げる(兵庫県福崎町にある常盤堂製菓の直売所)

関西のかりんとうの代表は「播州駄菓子」「黒糖菓凛糖(かりんとう)」など5種類、関東製は「麻布かりんと」「とろりんとう」など3種類を用意した。比較のため、かりんとうではないが、東北を代表する「南部せんべい」、京都の「八ツ橋(かた焼き)」、神戸で人気の「瓦せんべい」もそろえる。

それぞれの菓子はサイズや重量、厚さなどをほぼ均一にして5回ずつ測った。関西5種類の平均値は10.2キログラム、関東3種類は4.0キログラムで、関西の方が硬度が高い。関西の5種類は他の焼き菓子と比べても硬かった。

力を徐々にかけていって割れる瞬間の音の違いが印象的だった。麻布かりんとと南部せんべいは「ザクザク」、八ツ橋や瓦せんべいは「バリバリ」と聞こえた。播州駄菓子は「ボキッ」という鈍い音を立てた。実際に食べ比べてみても、播州駄菓子はかみ応えが他とは違う。

なぜ、関西と関東で異なるのか。有力メーカー、常盤堂製菓(兵庫県姫路市)の社長で、かりんとうに詳しい天野治さんを訪ねた。天野さんによると、関東では黒砂糖をおいしく味わう目的で、上層階級を中心に親しまれた。生地を軟らかくこね、ふっくら揚げるのが主流になったという。「甘い揚げ菓子を好む人に合わせて、中身に空洞をつくって油をたくさん染み込ませている」とのこと。

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