轍のくぼみが語る歩車分離の近世史
車石(京津国道改良工事記念碑、京都市) 古きを歩けば(25)
京都市山科区日ノ岡に不思議な記念碑がある。碑文は1933年竣工の旧京津国道改良工事の様子を伝える一方、基壇は江戸時代の東海道の様子を物語る。実は基壇の石は元は東海道の牛車(牛に引かせる荷車)の専用車線に敷かれていた「車石(くるまいし)」だ。轍(わだち)のU字型のくぼみがあるのがその証拠で、明治の道路改良で不用になった車石の再利用という。
■人馬用と分離、牛車用は一段低く
江戸時代の東海道の京都と...
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