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歴史博士

木々植えた名奉行の思い継いで古きを歩けば・花ものがたり 川路桜(奈良市)

2013/4/2

歴史博士

古都・奈良の市街を流れる佐保川は、万葉集にも詠まれた由緒ある川だ。両岸約5キロにわたって伸びる桜並木は1000本ほどあり、毎年春になると、花のトンネルをくぐりに訪れる多くの人々でにぎわう。

川路聖謨の思いを伝える「川路桜」が今年も佐保川沿いで花開いた(奈良市)

大伴家持らの歌碑が川沿いに点在

佐保川は古くからその美しさがうたわれた。川沿いのあちこちに万葉歌碑が立てられ、散策する観光客も多い

川の流れは若草山の北麓を回って奈良市街を東から西へ向かい、奈良市役所近くで南へと方向を変える。「佐保川の 清き河原に 鳴く千鳥 かはづと二つ 忘れかねつも」「千鳥鳴く 佐保の河門の 清き瀬を 馬うち渡し 何時か通はむ」。川沿いのあちこちに大伴家持らが詠んだ万葉歌碑が点在し、古都の散策コースの一つとなっている。

桜並木は、奈良市の船橋通り商店街の北にある下長慶橋から大和郡山市との市境付近まで堤上に延々と伸び、その規模は関西でも有数とされる。川沿いの遊歩道がJR関西本線と交わる踏切から少し東側に、川面へ大きく枝を張りだした老木が2本立っている。樹齢は160年を超えるという。幕末、奈良奉行を務めた川路聖謨(かわじ・としあきら、1801~68)が植えさせたとされ、地元の人々は「川路桜」と呼び親しんでいる。

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