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10人の子育て 大阪の助産師ママ、「細腕奮闘記」

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NIKKEI STYLE

 大阪市阿倍野区に10人の子どもを育てながら、自宅で助産院を営む女性がいます。小林寿子(ひさこ)さん(40)。助産師として総合病院などでお産の現場に立ち会い、会社員の夫(43)と結婚後に5人の年子を出産。まもなく地域の新生児訪問や妊婦教室の講師の仕事を再開し、2007年に助産院を開業して独立する傍ら、さらに5人の子に恵まれました。今年3月に10番目の子となる6女を出産したばかりの小林さんに、少子化時代に大家族を夫妻で築き、自身もキャリアを重ねてきた歩みと、仕事と育児を両立させるためのヒントを聞いてみました。(大阪社会部 松浦奈美)

――(記者も)3年前に娘を出産し、仕事と育児に追われる毎日です。友人も子どもは1人、多くても2人で、10人出産するお母さんは珍しいですね。

「子どもが好きという気持ちがすべてです。上の5人を立て続けに産んだ後、やっぱり、まだほしいと思い、3年後に6人目を産みました。『それなら下の子チームも作ってあげよう』と、さらに産みました。深く考えると10人なんて産めません(笑)。何とかなるだろう、と前向きな性格なんだと思います」

――経済的な事情から、たくさん子どもを産めないという人もいます。

「正直、生活はしんどいです。育てるのに生涯でいくらかかるかなんて考え始めたら、怖くて1人も産めないですよ。思春期になると、塾や習い事にお金がかかりますし、食費もかさんで大変です。電気やガスが止まらず、お米さえあればいいよね、というくらいの気持ちで構えています」

「何でも買ってもらえる一人っ子もいます。でも、我が家では『パパやママが汗水たらして頑張って働いてるから、ごはんが食べられるんやで』ということを見せながら育てられれば、それでいいのだと考えています」

――家事や子育てはさぞかし重労働でしょうね。

「洗濯機は1日に3回まわします。夕食でカレーを作るとなると、米は10合(約1升)、肉は2キロ、タマネギは5個など大量の材料が必要になります。炊飯器は1食で2回使います。授業参観や運動会など、親の出席が必要な学校行事もたくさんあります」

――周囲に手伝ってくれる大人はいますか。

「夫は仕事が忙しく深夜まで帰ってきません。実家の両親らに頼ると、お互い気を使うのであまりお願いしていません。『お手伝いさんがいるのですか』と尋ねられることもありますが、いえいえとんでもない。子どもたちが家事を担うので、ある意味お手伝いさんだらけです」

――共働きが成り立つ秘訣はそこでしょうか。

「そうですね。共働き家庭に適応しやすいように子どもを育てるというのは大きなポイントです。『家の事と書いて、家事なんやで。ママがするって誰が決めたの。みんなの仕事でもあるんやで』と常に言っています。10人目の娘が生まれてから、私自身はまだ一度も沐浴(もくよく)をしていません。上の子たちが率先してやってくれます」

「うちの子は、小学校の中学年になれば、冷蔵庫の残り物でごはんを作れます。小さい子が夜中に嘔吐(おうと)したら、上の子が手分けしてタオルを取りに走り、拭いてくれる。あっという間に片付きます。朝ご飯は私が午前4時半に起きて、パンやごはん、味噌汁など和洋食の品をそろえて置いておくと、みんながセルフで食べます。大きい子と小さい子がペアになって面倒を見てくれるので、その間に夫婦で掃除や洗濯をします」

――それでも、夫の帰りが遅いことに不平や不満を感じませんか。

「実は4人目の出産ぐらいまでは、どうして私ばかりが家事を頑張らなくてはいけないのかとイライラしてばかりでした。でも5人目くらいから『夫に過度に期待することが間違っていた』と考えるようになり、一気に楽になりました。たまに食器洗いや洗濯をしてくれるだけで、ものすごくうれしいと感じられるようになった。それからは夫婦円満です。夫も休日ともなれば、家族のために100%の時間を使う、子ども好きな人です」

――専業主婦から助産師への復職、開業とキャリアを築いてこられました。両立のコツはありますか。

「仕事のために子どもをあきらめたり、子どものために仕事をあきらめる、という女性は多いです。でも、ぜいたくな私は仕事も子どももあきらめたくなかった。家事と育児、仕事を同時並行して、要領よく進めることを意識しています。育児書だけをあてにしたり、『こうあらねばならない』という思い込みから自由になることが大切なのではないでしょうか」

「たとえばセミナーを頼まれたら、子連れで行き、授乳しながら話をすることもあります。離乳食作りに母乳を使ったり、風呂や買い物の途中に授乳したり。時間はいくらだって作れる、ぐらいに考えています」

――「完璧なママはいない」「ママも子もみんな違っていいやん!」と説き、子育てに悩む母親から人気を得ていらっしゃいますね。

「助産院には母乳ケアのためにお母さんたちが訪れますが、私としゃべってストレスを発散したいという人が多いです。わざわざ遠方から来られて、泣きながら思いを話して、帰って行くという人も大勢います。大切な我が子のために一喜一憂し、氾濫する子育て情報に混乱するママは少なくありません」

「神様みたいにいつもニコニコしているお母さんなんていない。母親も人間です。私も感情にまかせて怒ることもあります。そんなときは、子どもに向き合ってきちんと謝ればいいんです。もっと自由に、気楽に子育てをすればいいよ。完璧な子育てなんてないよ、ということを実体験を通じて伝えていきたいです」

 小林寿子(こばやしひさこ)助産師 1974年、大阪府生まれ。総合病院、産婦人科クリニック勤務を経て、2007年、大阪市内の自宅で「助産院ばぶばぶ」をオープン。母乳育児支援のほか、セミナーなどを開催。著書に「みんな違っていいやん!」「9人産んじゃいました」。
 4男6女は高校生から新生児まで。昇太(しょうた)君(15)、寿鈴(すず)さん(14)、萌桃(もも)さん(13)、奏太(かなた)君(11)、実瞳(みみ)ちゃん(10)、来瑚(ここ)ちゃん(6)、七花(なな)ちゃん(5)、凛太(りんた)君(4)、楓太(ふうた)君(1)、暖乃(のの)ちゃん(0)。

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